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2020.7.23 11:30

ビッグコラボの爆誕だ。9月に発売予定のB’zの松本孝弘4年ぶりのソロアルバム「Bluesman」の収録曲「Actually」に、氷室京介が作詞とボーカルで参加することが、大きな話題を集めている。

「あくまでも松本さんのソロ楽曲に参加ということで新ユニットではないのですが、吉川晃司さんと布袋寅泰さんの『COMPLEX』や小室哲哉さんとYOSHIKIさんの『V2』のような、過去の大物アーティストコラボに匹敵する衝撃なのは間違いないです」

 と、ある音楽関係者は言う。芸能評論家の三杉武さんはこう語る。

「2人ともLA在住で交流はあるようです。数年前に松本さんと氷室さん、GLAYのTAKUROさんの3人でロスで焼き肉を食べたことを氷室さんが明かし、それぞれのファンに“神交流”と喜ばれたことも。そんなプライベートの交友もあって今回の作品につながったのではないでしょうか」

 夢のコラボはどんな作品を生み出すのだろうか。

「ロックをベースにした音楽性も近いですし、2人ともお互い実力を認め合うアーティスト。松本さんも氷室さんのボーカルにより、B’zでの活動とは異なる一面を見せることができるでしょう。2016年に耳の不調でライブ活動を無期限休止し、音楽活動で表に出る機会があまりない氷室さんにとっても、久しぶりにアーティストとしてのアクションが行える機会。松本さんのアルバムという面で氷室さんにとって気楽な部分もあるでしょうし、新たな化学反応が生まれると興味深いです」(三杉さん)

音楽評論家の山崎智之さんは、2人のキャリアのスタート地点にも注目する。

「松本孝弘がスタジオミュージシャンとしてキャリアをスタートさせたのと、氷室京介がBOOWY(当時は“暴威”)を結成したのがともに1981年。以来、日本のロック界を代表してきた2人ですが、共に大物ゆえか、共演する機会は少なかったようです。しかし、氷室が自身の2010年のソロ作『“B”ORDERLESS』に参加したギタリストを松本に紹介し、そのギタリストがB’zの作品やツアーにセカンドギタリストとして参加するようになるなど、音楽的な接点はありました」(山崎さん)

 山崎さんは、アルバムタイトルにも注目する。

「『Bluesman』はロック、ウェスタン、和テイストなど、さまざまなアプローチでブルースを表現する作品とのこと。アメリカ黒人の伝統的なブルースとは一線を画したエモーショナルな“憂歌”としてのブルースという点で音楽的に共鳴した部分があったのではないか。どんな独自のスタイルが表現されるのか、楽しみにしたいです」

 新たな世界の解禁を待ちたい。(本誌・太田サトル)

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