東京・神田の古いビルの2階。そこには夜な夜な紳士淑女が集まり、うんちくを披露しあう歌謡曲バーがあるという。今宵も有線から、あの名曲が流れてきた。

お客さん:お、このイントロは、石川優子とチャゲの『ふたりの愛ランド』。気分爽快な夏のイメージだねえ!

マスター:1984年、JALの沖縄キャンペーンソングとしてチャゲが作った、サマーソングの定番中の定番!

お客さん:「夏、夏、夏、夏、ココナッツ」のフレーズが印象的だよね。

マスター:CMソングだから、まずはこのサビから作ったという。ところが、スポンサーサイドから歌詞の書き直しを要請されたんだって。

お客さん:なんで?

マスター:「沖縄にココナッツはありません」という理由。チャゲは自分でも上出来だと思っていたから頭を抱えたそうだよ。でも、「ココナッツ」を「ここは夏」にしちゃえ! ということで「ココ夏」と変えたらOKが出た。

お客さん:へえ〜。

マスター:あと、もともとこの歌はチャゲが歌う予定ではなかったそうだよ。女性パートの石川優子は最初から決まっていたけど、男性パートは決まっていなかったんだって。

お客さん:それは初耳!

マスター:石川優子の声を、気持ちよ〜く響く音域で調整したら、男性パートがかなり高音になってしまった。そのため、声が高いチャゲが歌うことになったという。

お客さん:2人はもともとポプコン出身だよね。

マスター:そう、2人とも「第16回ポピュラーソングコンテスト」に出場して、1979年にデビューした同期生。当時は事務所も同じで、仲よしだったそうだよ。

お客さん:楽しそうに歌っている2人を見るのが、楽しかったよね。

 おっ、次の曲は……。

7/19(日) 16:32配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/691e3b72fd30a625331168467a497805f34e5bd7
https://i.imgur.com/bnKkkV3.jpg