2020年06月26日 23時31分
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 体操の男子個人総合五輪2連覇の内村航平(31=リンガーハット)が苦渋の決断を下した。

 ケガの影響が懸念され、その動向が注目されていたなか、東京五輪の団体総合と個人総合の出場を断念したことが26日、明らかになった。内村は種目別鉄棒に絞って出場を目指すという。

 両肩痛に悩まされ、満身創痍で出場した昨年の全日本選手権は予選落ち。世界選手権の代表からも漏れていた。昨年春には「東京五輪は夢物語」と表現するなど、全盛期には程遠いパフォーマンス。かねて「全6種目をこなすこと」「団体金メダル」には人一倍のこだわりがあったが、現状では厳しいと判断して得意の「鉄棒」に絞る方針を打ち出した。

 内村はオールラウンダーでありながら、特に鉄棒の実績は光る。世界選手権では15年スコットランド・グラスゴー大会の金メダルを含む、計5個のメダルを獲得。体操界のキングは「東京五輪が決まらなかったら現役を続けていない」と語っているように、今大会を体操人生の「集大成」と位置付ける。

 新たな五輪スケジュールは未発表だが、順当にいけば男子鉄棒は体操競技の最終日、オーラス種目となる。その表彰台で頂点に立てば、これ以上ない有終の美となる。