<巨人3−2阪神>◇19日◇東京ドーム

開幕戦で矢野阪神が「勝利の方程式」での逃げ切りに失敗した。1点リードの7回。ベンチが送り出したのは岩崎だ。先頭の代打石川に右前打を許し、
次打者の送りバントで1死二塁。1番吉川尚への4球目だった。内角低めの直球を捉えられ、逆転2ランを被弾。昨年48戦登板で防御率1・01、無敗を誇った
セットアッパー左腕が、今季はいきなり負け投手となった。

矢野監督 (継投について)うちの形としてそういう形でいこうと。それだけで(交代を)決めているわけじゃないけど、総合的に決めた中での判断。
もちろん(今季は)日程的に(厳しいことも考慮して)っていうのはゼロではないけど。西(勇)の飛ばしてる、いろいろ疲れてるっていうなかで俺が
下した決断。もちろん俺の責任。

西勇は6回97球。勝敗の分岐点となった継投を、指揮官はそう振り返った。

岩崎は今季、何とか開幕に間に合っていた。5月31日の紅白戦で登板したものの、6月に入り、コンディション不良のため、なかなか実戦登板できなかった。
1軍練習試合は13日の1試合登板のみ。3日後の16日2軍練習試合でも投げ、なんとか滑り込んでいた。岩崎にとってはこの日は29歳の誕生日だったが、
なんともつらい結果となった。

矢野監督 (16日の)ファームは見に行っていたし、そのボールを見ても今までの優(岩崎)とそんなに変わりない、俺の中ではそう見えていた。

前日18日に矢野監督は先発西勇から、救援陣も奮闘し、最後は藤川で締めるプランを描いていた。昨季6回終了時にリードしていた試合は、
45勝4敗4分け、勝率9割1分8厘。今季も開幕から得意の方程式で逃げ切りを図った。しかし、思い通りにいくことばかりではない。宿敵巨人に6000勝の
節目の白星を献上したが、戦いは始まったばかりだ。

矢野監督 みんなしっかりやってくれた。俺の責任。勝負分けたと言うだけで。みんなやり切ってくれた。開幕としては悔しい結果になったけど、
自分たちの野球をするのは、みんな気持ちと姿勢を見せてくれた。だからこそ悔しい。

黒星で始まったが、日本一のゴールは変わらない。試合前のセレモニーで宣言した言葉のまま戦い抜く。

「今季を戦う上でうまくいかないこと、苦しいこと、困難な状況があると思いますが、そういう時こそ、前を向き、チャレンジし、困難に挑戦していく姿を
みなさんにお見せしていきます」−。【松井周治】

日刊スポーツ

https://news.yahoo.co.jp/articles/2173d7340eaf2a74b3ed6f1a488c9209f308fca1