戸惑いや疑問だけではない。怒りすら伝わってくる英文の呟きを、ブラジルの古豪ボタフォゴに所属するMF本田圭佑が自身の公式ツイッター(@kskgroup2017)へ立て続けに投稿した。

<Are you sure to start the league next week?>
和訳すれば「来週からリーグ戦をスタートさせる気なのか」となる呟きを日本時間17日深夜に投稿した本田は、同18日朝には「リーグ戦を再開させる論理的な理由を知りたいと思う私は狂っているのだろうか」と投稿。
自虐的な英文のなかにネガティブな感情を凝縮させている。

<Am I crazy that I want to know a logical reason why we start the league?>
呟きの対象はボタフォゴが所属するリオデジャネイロ州のサッカー連盟が、3月中旬から中断しているリオデジャネイロ州選手権を、再開させる決定を下したことへ向けられている。
ボタフォゴは現地時間22日に、ホームのエスタジオ・ニウトン・サントスでカボフリエンセと対戦する。

全国規模で公式戦を中断させる要因になった新型コロナウイルス感染が、ある程度落ち着いてきたという認識のもとで再開へ向けた流れが生まれた。しかし、実際には爆発的なスピードで感染拡大が続いていて、
在ブラジル日本国大使館によれば現地時間17日夜時点で感染者数は95万5377人、死亡者数は4万6510人と、ともにアメリカに次ぐ世界ワースト2位の数字を記録している。

こうした状況での再開を疑問視する本田は2度目の投稿の冒頭部分で、現地時間16日だけで新たに確認された感染者数3万4918人、死亡者数1282人をあえて記している。
ボタフォゴ自体もまだ全体練習にも移行していないとして、再開に反対する立場を鮮明に打ち出している。

感染拡大防止よりも経済を回すことを最優先に掲げる、ジャイール・ボルソナーロ大統領の存在が状況の悪化に拍車をかけている。新型コロナウイルスをちょっとした風邪と位置づける認識や、
経済を停滞させないために積極的な外出を促す言動は、世界の指導者のなかで異彩を放っている。

各州の知事らから冷ややかな視線を送られているボルソナーロ大統領はサッカー好きで知られ、公式戦の再開を強く要望してきた。
そうした状況下でリオデジャネイロ州に本拠地を置くボタフォゴのライバル、ヴァスコ・ダ・ガマも再開賛成に回り、5月下旬にはすすんで一斉のPCR検査を受けた。

 しかし、その結果として大量の陽性反応者が出た。PCR検査を受けた43人の選手のうち、実に約44.2%にあたる19人の新型コロナウイルス感染が発覚したことが先月31日に発表されている。
深刻な状況を受けて「これでまた延期が長引くと思う」と日本語でツイートした本田は、その後も新型コロナウイルスをめぐるブラジル国内の認識を疑問視する英文の投稿を連発している。

<Please don’t be optimistic. stay safe>(状況を楽観視しないように。安全第一でいこう)
<Covid-19, we have not seen peak here yet, have you?>(新型コロナウイルスに関しては、ここ(ブラジル)ではまだピークを見ていませんよね?)

つづく
 
6/19(金) 4:57配信 THE PAGES
https://news.yahoo.co.jp/articles/7014c21da5415c0f724bb28c1eb4f21630a220b3