渋谷真コラム・龍の背に乗って

◇6日・練習試合 中日 7ー5 西武(メットライフドーム)

 ビシエドとシエラが打ち、スパンジェンバーグ(2本)と木村に打たれた。これで2日の練習試合再開後の中日は、全5試合で10本塁打を放ち、9本塁打を浴びたことになる。1試合平均3・8本。昨季が1・65本(本塁打90、被本塁打146)だから、超ハイペースである。

 たった5試合。中日の打者は好調だし、弱投強打のヤクルトと西武が相手ということもある。しかし、本塁打が頻発しているのは中日だけではない。ロッテが中日と同数の10本で、阪神が9、日本ハム、西武(3試合)、広島が7本で続く。この日だけで20本が飛び交い、5日間、28試合で本塁打ゼロは1試合だけ。77本(1試合平均2・75本)が乱舞した。

 「積極的に振る、ストライクゾーンを打ちにいく。そこはまずまずできていたので、状態は上がってきているんじゃないかと思います」

 与田監督の立場からすれば、まずは自軍の打線の仕上がりにうなずく。一方、野球界全体として本塁打が目立つことは意に介していなかった。

 「そこは全然、意識していないですね。見ている皆さんで判断してください。こんなシーズンは初めてなんだから、わからないですよね。こんな過ごし方が初めてだから。まあ、そんなに僕は気にしていません」

 ほとんどの選手が春先に軽いトレーニングしかできず、汗ばむ6月にようやく練習試合をやっている。前代未聞。未知のシーズンである。どんな野球になるのか…。投手は打者を相手に投げず、打者は投手の球を見ていなかった。何となく目が慣れるまでは投高打低かなと思っていたが、現実には逆のことが起こっている。与田監督が話す通り、誰も歩いたことのない道の先に何が待っているかなんて、誰にもわからない。予測不能。タフなチームがゴールで笑う年になるのかもしれない。

6/7(日) 11:32 Yahoo!ニュース
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