2020年05月30日 11時57分
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脳科学者の茂木健一郎氏(57)が30日、米国のトランプ大統領がWHOとの関係を断絶し、
資金拠出を停止すると表明したことについて解説した。

茂木氏は「世界規模の公衆衛生的課題に取り組むことは大切だし、各国政府を通してできる
 こともたくさんあるから、WHO、ないしはWHO的な組織の意義がないわけではないけれども、
 逆に言えば各国政府による拠出金や、そのメンバーシップに頼っている機関は脆弱でもある」
と評し、「今回の事態で言えば、中国国内のパンデミック初期における情報の隠蔽や、その後の
 ガバナンスの透明性のなさなどをWHOはきちんと助言すべきだったけれども、それをしなかった
 のは重大な逸失機会だった。また、台湾のオブザーバー参加を認めなかったのも愚かな決定
 だった」とWHOの失策を指摘した。

また「公衆衛生上の問題において、WHOが特に『権威』や『有権的決定』を行う特別な地位は本来
 ない。今回のパンデミックだって、さまざまな統計は大学などの団体がまとめたものがすぐれて
 いたし、データの分析や薬、ワクチンの開発も民間や大学が主体でいろいろやっている」とした上で
「むしろ、WHOに頼らなくても、さまざまなプレイヤーがそれぞれの現場でベストを尽くす、その中
 には国境なき医師団などのNGOも含まれるというのが健全なあり方だろう。予算も人員も多く、
 各国政府とのつながりもあるWHOのできることは大きいはずだったが、愚かな官僚主義で自ら
 墓穴を掘ってしまった」とWHOの“自滅”に残念な思いを明かした。