日本歴代最多の13連続防衛記録を誇る元WBA王者の具志堅用高(64)。現在はトボけたキャラでテレビを中心に活躍しているのは万人の知るところ。だが、彼のジムの評判がすこぶる悪いことは知られていない。

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 そして誰もいなくなった。具志堅が会長を務める「白井・具志堅スポーツジム」の現状だ。さるスポーツライターによれば、

「具志堅さんのジムから世界王者になったのは元WBCフライ級王者の比嘉大吾ぐらい。しかし彼は、この3月で契約満了を理由にジムを去っているんです」

 比嘉は沖縄出身。具志堅の愛弟子である。2014年のデビューから3年で世界を獲った。

「ところが18年4月、3度目の防衛戦で減量失敗。試合も負け、資格停止処分を受けました。今年2月の復帰戦には勝ったものの、試合後のインタビューで“本当に応援してくれている人は他にいる”と、暗に会長批判をしたのです」

 不穏な状況は他にもある。

「比嘉の減量失敗の責任を、トレーナーの野木丈司さんに転嫁してクビにしました。さらにはジムのチーフトレーナーの友利正さんも辞めた。彼も沖縄出身で元WBCライトフライ級王者。95年のジム設立当初からいる、具志堅さんの右腕でした」

現場に口出し

 先月24日、友利氏は自身のSNSに、〈白井具志堅ジムのカギを返して20数年勤めたジムを正式に退職しました〉と記し、〈残念ながら、このジムは何で選手、トレーナーが辞めて行くのかわかった気がする…チーフなんかやるんじゃなかった〉との呟きを残している。改めて友利氏に事情を聴いた。

「約10年前から会長の奥さんが現場に口出しして仕切るようになりました。5年ほど前からは女性マネージャーも一緒になって、“減量中にお菓子はダメ”とか、選手がスポンサーを連れてきても、“まずはジムを通せ”って。その言い方が冷たくてキツいんだよ」

 夫人の担当はマスコミ対応やチケット関連、ファイトマネーの分配などで、

「会長はタレント活動、俺や他のトレーナーが現場。それで回っていたのが、奥さんたちが比嘉の減量失敗の責任を野木に押しつけて辞めさせ、比嘉も、カネで揉めたこともあって辞めた。まあ、それを放置している会長が一番悪いんだけど」

 友利氏の退職は、

「4月上旬、練習中にいきなりジムの隣のファミレスに呼ばれてね。会長と奥さんから“資金繰りが厳しい。悪いけど今月で辞めてくれないか”って。それ以外、なんの説明もありません。会長とは長いし、信頼されていると思ってたけど……。もう、完全に縁切りです」

 当の具志堅に訊ねると、

「ジムの経営方針やトレーナーの退職、選手との契約については、私、トレーナー、選手それぞれの考え方あってのこと。申し訳ありませんが、お答えは控えさせていただきます」

 愛弟子と右腕を失った具志堅会長、KO寸前である。

「週刊新潮」2020年5月21日号 掲載

新潮社
5/25(月) 5:59
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