5/14(木) 5:00配信 サンケイスポーツ
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 相撲界に衝撃が走った。日本相撲協会は13日、現役三段目力士の勝武士(しょうぶし、本名・末武清孝=すえたけ・きよたか=さん、高田川部屋)が同日午前0時半、新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全で死去したと発表した。28歳だった。新型コロナ感染での死者は大相撲では初めて。主要プロスポーツの国内現役選手としても初とみられる。国内で20代以下の死亡も年齢が明らかになっている中では初とされる。協会は抗体検査の実施を決め、7月の本場所開催を目指す。

 勝武士は平成26年春巡業から30年の同巡業まで、元幕下高三郷(東関部屋、引退)とコンビを組み、4年間にわたり巡業などで相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する「初っ切り」を披露した。コミカルな動きでファンを楽しませた。

 山梨・竜王中を卒業後に15歳で大相撲の世界に飛び込んだ。勢いよく頭からぶつかっての突き、押しが得意。中学柔道部で1年先輩の平幕竜電の付け人も務めた。「初っ切り」については、新ネタを考えては夜の公園で練習することもあった。

 糖尿病でインスリン注射は欠かすことができなかった。「一度だけの人生だから、体がぼろぼろになるまで燃え尽きたい」と幕下を目標に稽古を積んだ。3月の春場所は3勝3敗で迎えた最後の7番相撲で負け越し。「この悔しさを次の場所で晴らしたい」と語っていたが、願いはかなわなかった。