新型コロナウイルス感染拡大の影響で公式戦を中断しているJリーグが、6〜8月再開時の日程シミュレーションを終えたことが28日、分かった。強化担当者らが出席したウェブ会議で各クラブに伝えた。6月第1週再開時には61試合分の日程を確保できる見通しで、7月第1週で53試合、8月第1週で44試合となった。J1クラブは、今季残された公式戦は最大52試合。再開が8月にずれ込むとリーグ戦を100%消化できない試算。リーグ戦の100%消化を目指すJリーグは1会場2試合の同日開催など特例措置を提案した。

 Jリーグが再開時の日程シミュレーションを一段落させ、各クラブに伝えた。まず12月5日の最終節を同20日とする方針を通達。そのうえで試算を出した。リーグ戦成立には総試合数の75%消化が必要で、7月第1週までに再開すれば、100%消化が可能。8月にずれ込めば現行の大会方式では完全消化は不可能になるが、リーグ戦不成立という最悪の事態は避けられる見通しが提示された。

 J1は2月下旬にリーグ戦1試合を消化し、中断に入った。残された公式戦(リーグ戦、アジア・チャンピオンズリーグ、ルヴァン杯、天皇杯)は、最も多いクラブで52試合。これに対して、週2試合の消化を前提に、6月再開時は61試合分、7月は53試合分、8月は44試合分の日程が確保できる見通し。試算には、通常では使用しない日本代表の試合を行う国際Aマッチウィークの活用も含まれた。

 J1は中断に入ってからすでに2か月が経過した。再開時期によらず、過密日程となることは避けられず、Jリーグは100%消化への具体策を示した。まずは1会場で2試合を行う“ダブルヘッダー開催”を認めるという。J1の試合前後にJ2、J3の試合を組み込む案だ。感染には地域差があり、会場確保が困難になったことを想定。支出抑制も見込める。

 同じ理由で、J1基準(スタジアム入場可能数1万5000人以上など)に満たない会場での試合と、同一カードの同一会場での連戦を認めることが伝えられた。村井満チェアマンは未曽有の事態で「この状況下では公平性は担保できない」とホームアンドアウェーによる総当たり方式にはこだわらず、リーグ戦の完全消化を最優先とする方針を打ち出している。すべてはこの考えに沿った施策となる。

 政府や自治体の情勢判断を待ち、専門家の意見を聞きながら、再開の時期を待つJリーグ。先行きは依然として不透明で、自らの判断で決められない状況が続くが、丁寧な計算の下で再開へ向けた準備は着々と進められている。

 ◆Jクラブの最大残り試合数(現行方式)

 ▼J1

 リーグ戦  33試合

 ルヴァン杯 12試合(ACL出場クラブは5試合)

 天皇杯   2試合(上位2チームが準決勝から参加)

 ACL   12試合(決勝進出の場合)

 (最多試合数・52試合)

 ▼J2

 リーグ戦  41試合

 ルヴァン杯 12試合

 ▼J3

 リーグ戦  38試合

 ◆年内の国際Aマッチウィーク すでに6月4日に予定されていたアジア2次予選・タジキスタン戦(ノエスタ)、同9日のキルギス戦(パナスタ)は延期が決定。その後は8月31日〜9月8日、10月5〜13日、11月9〜17日が設定されている。

2020/04/29 06:00
https://news.goo.ne.jp/article/hochi/sports/20200428-134-OHT1T50248.html