「日本の部活動」が国際組織に本格調査される訳
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200427-00346715-toyo-bus_all

4/27(月) 7:50配信

 新型コロナウイルスの深刻な感染拡大で、来夏に延期された東京オリンピック・パラリンピックの再延期が取りざたされている。

東京オリパラ組織委員会の森喜朗会長は4月22日、再延期は絶対にないとの見方を示したが、
感染症の専門家たちが早期の感染収束に懸念を示し、状況次第では中止の可能性も否定できない。

コロナ危機の長期化に加え、約3000億円の追加経費を日本とIOC(国際オリンピック委員会)のどちらが請け負うかなど、
すべてがペンディング状態の中、スポーツ界を変革させようと着実に歩を進める人たちがいる。

世界100余国の人権状況を調査・モニタリングしているヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW/本部 ニューヨーク)は、
日本で「スポーツにおける子どもの虐待・体罰・ハラスメント調査」を実施。7月には調査報告書(英語&日本語)を発表し、
各省庁や国会へ向けた政策提言活動を行う予定だ。

 地雷廃絶条約を実現させてノーベル平和賞を共同受賞した世界最大級の国際人権NGОが
調査の実施を決めたのは、子どもや若者に対する体罰などのハラスメントに対する問題意識を世界中に発信するためだ。
本プロジェクトをリードするHRWグローバル構想部長のミンキー・ウォーデンさんがインタビューに答えてくれた。

■日本の体罰問題への印象は…

 「私たちは世界のアスリートが理不尽なことや人権を無視されたとき、圧力で沈黙を強いられることがないよう声を上げ戦っています。
今回は日本で調査をするが、日本だけの問題ではありません。東京2020を機に、世界の認識を変えるのが目的なのです」

(略)

■アメリカでは問題解決が進んだが…

アメリカでも、いくつもの問題を解決してきた実績を持つ。米オリピック委員会は「セイフ・スポーツ(SafeSport)」という
体罰や性的虐待、差別等を防止するためのプログラムを2012年にすでに構築している。
告発者の保護、「セイフ・スポーツ」への報告義務、法機関への通報などが定められ、
スポーツハラスメントの防止策の環境が整備されていると思われていた。

ところが、2016年に米国体操協会のナショナルチームの医師が、368人もの選手に性的虐待をしていたことが発覚。
同協会が通報を受けたにかかわらず、いくつかのケースを長年にわたって放置していたことも明るみになった。
(略)

■スポーツハラスメント被害者家族の思い

 スポーツハラスメントの被害者家族である男性も、この「外圧」に期待を寄せるひとりだ。
HRWから打診のあったインタビューを引き受ける。
「日本では、アスリートあるいは子ども達の人権について真剣に議論されることが少ない。
スポーツが学校教育の一環として行われる場合には、問題の本質が覆い隠されてしまう。
日本にある部活最優先な考え方や、部活熱がある以上、根本的なものは変わらない気がします」と話す。

 この男性を含め、多くの被害者家族が、第三者委員会の設置等や裁判で教育委員会の隠蔽体質を指摘する。
どんなに暴力や暴言があったことを訴えても、「行きすぎた指導」と言われてしまう。
指導ではなく、暴力だ、虐待だと訴えても、“指導”の二文字は決して外されない。

(略)

「オリンピック憲章」の支柱をなす「オリンピズムの根本原則」には、こう書かれている。

オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである――。

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