「ワクワクしてみんなが楽しめる、そんな会場を作っていきたい」
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国民的米菓と言える「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」を製造販売する亀田製菓株式。アルビレックス新潟のメインスポンサーで、ユニホームスポンサーを務めて今季で25年目になる。四半世紀にも及ぶつながりのなかで、クラブとどのように関わってきたのか、そして今後について、会長CEOの田中通泰氏に語ってもらった。

 亀田製菓株式会社は、アルビレックス新潟の前身であるアルビレオ新潟FCが設立された1996年からユニホームスポンサーを務めている。胸のネームを担当するのは99年からで、新潟がJFLからJ2へ参入した年。2016〜18年には、勝利を願う意味などを込めて人気商品「ハッピーターン」をロゴに採用するなど、アルビレックスに寄り添いながら歩んできた。

 「かつては地域振興の成功例としていろんなクラブから注目されていたけれど、今はそのクラブのほうが上手く経営をしている。スポンサーの愛情表現としてあえて厳しいことも言わせてもらっていますが、もっとみんなが楽しめる努力を常に行なわないと」

 そんな亀田製菓では、ひとりでも多くの人に来場してもらえる楽しいスタジアム作りを目指し、クラブとの共同活動で「ハッピーターンプロジェクト」を行なっている。

 そのひとつが、11年からスタートした、県内の福祉施設や幼稚園・保育園、小学生などの子どもたちをスタジアムに無料で招待する「ハッピーシート」の提供だ。

「ハッピーシート」のもとになったのは…
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「亀田製菓は水飴作りが成り立ちです。戦後、女性や子どもが楽しめるものを、という想いで未経験のお菓子の製造から創業した会社。企業理念に通じるところがありました」

 他にも、試合後に抽選でプレゼントなどが当たる「ハッピースタジアム」や、新潟県内各地で試合の案内をする「ハッピーキャラバン」といった活動で、観客誘引に働きかけている。

 また、試合終後に観客がスタジアムの清掃を手伝う新潟発祥のボランティア活動「クリーンサポーター」のきっかけにも関わりが。

 「うちの従業員には熱心なアルビファンが多くいますが、彼らが試合後、自主的にゴミ拾いをしていたんです。そうしたら2年後くらいから他の観客も同じように始めて。そこで、2002年からは会社としてゴミ袋の提供も始めました」という。
 
 こうした同社とクラブのつながりの強さは、毎年春過ぎに開催される「亀田製菓サンクスデー」の新入社員による応援メッセージの一幕でも垣間見える。亀田製菓の新入社員たちが試合前にピッチに並んで応援メッセージを伝えるのだが、これに対してスタンドの新潟サポーターから「亀田製菓コール」が湧き起こる。毎年恒例の光景だ。

 「スポンサーとしての影響力を感じますね」と田中は穏やかな表情を浮かべ、さらに亀田製菓ではレディース選手を従業員として雇用し、サポートも行なっていると言うから、そのスポンサードの幅広さには驚きだ。

 「世の中の消費スタイルはモノからコトに変わりつつあり、サッカーは体験(コト)を通じてその価値を提供できる。お菓子も何か違ったカタチで提供できればと考えているので、(スポンサードは)勉強の場でもあります」

 Jリーグが再開したら、新潟のスタジアムには、昨季以上にワクワク″できる楽しみがありそうだ。

4/24(金) 7:20配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200424-00072102-sdigestw-socc