4/22(水) 15:40配信 時事通信
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 壮大なイメージ図が具体化に向けて動きだした。2023年に開業予定のプロ野球日本ハムの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」が建設される北海道北広島市。札幌のベッドタウンとなっている人口約5万8000人の地方都市が、一躍脚光を浴びている。

 18年3月に建設予定地に決まってから、市にはさまざまな好影響が出ている。市内各地の地価が上昇。税収は増加している。その背景に、若い世代を中心に転入者が増えたことがある。札幌市と綱引きが行われた誘致活動を機に、知名度が一気に高まった。起業の相談が増えたほか、「スポーツによるまちづくり」をテーマに道内外から研究に訪れる大学生も見られるようになったという。

 今月13日の起工式で、上野正三市長は「(新球場は)市民はもとより、道民の夢と希望をかなえるもの」と述べた。北広島市は昨年、近隣の14自治体とJR北海道、観光バス会社などとの連携協議会を発足。訪れるファンに地元の食の魅力を紹介したり、周辺にも足を伸ばしてもらう観光プランを練ったりと、垣根を越えてアイデアを出し合うのが狙いだ。球場開業後には近隣自治体から新たな雇用が生まれることも期待しているという。

 高齢化問題を抱える地方自治体が多い中、企画財政部長の川村裕樹さんは「今、逆の方向に向かっている。この地域が元気であることが(野球を軸に幅広く楽しめる)ボールパークの価値を高めることにもなる」。札幌開成高で1988年夏の甲子園に出場した元球児の川村さんは、熱い口調で語る。新型コロナウイルス感染拡大が影を落としている中でも、夢のある計画は着実に前進している。