新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、報道番組だけでなく、ドラマ・バラエティにもおよび、収録の休止が相次いでいる。
そんななか、日本テレビ系で4月11日に初回が放送されたドラマが、11%の好視聴率を記録した。だが、関係者の表情は暗い。

なぜなら、その作品は、本来放送予定だった新ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』ではなく、
15年前のドラマ『野ブタ。をプロデュース』の “再放送” だったからだ。

「正確には、再放送 ではなく、『未満警察』のPR映像を加えて再編集した 特別編 です。
たんなる再放送をすると、『なぜ過去のものを放送しているだけなのに、カネを払わされるんだ』とCMスポンサーからクレームが入るので、
新たにナレーションを入れたり、必ず手を加えるのです。

さらに、出演者や脚本家などから再放送の許諾を文書で取る必要もあり、作業もかなり大変。
また、過去の作品が数字を稼ぐと、いまの自分たちの価値観を否定された気分になりますからね……」(民放ドラマ関係者)

・バラエティ番組も制作が止まっている。

「3月に入ってからお店ロケなどで、店側から『撮影をした結果、コロナ感染者が出た場合は、責任を取ってもらいます』と
一筆求められた番組があったりと、ロケ撮影ができなくなってきました。感染の拡大で、スタジオ撮影もストップ状態です。

ほとんどの番組が過去のVTRを使い、総集編を制作して乗り切っています。

ただ、このまま収録が再開されないと、GW明けには、在庫 が尽きる可能性があります」(テレビ局関係者)

放送する番組がなくなるーーまさに緊急事態だが、ある番組制作会社の社長は
「体力があるキー局は、まだ全然マシ。我々は、もう首を吊るしか……」と頭を抱える。

「5月6日を迎えても緊急事態宣言が解除されず、収録が再開できなければ、ウチは終わりです。
収録がなければ、制作会社には、お金が支払われません。
5月以降、資金繰りが悪化して倒産する番組制作会社が増えると思います。

制作会社だけでなく、地方のテレビ局も、経営が危うくなる可能性があります。
生き残っていけるのはキー局か、在阪、福岡や札幌などの大都市の局だけです」

テレビ界を激変させる危機は、すぐそこまで迫っている。

https://www.zakzak.co.jp/images/news/180420/soc1804200016-m1.jpg
https://news.yahoo.co.jp/articles/6a38541f6525401ef0662da095c99046731153a5?page=2