「よほどの大きなネタでもないかぎり、芸能ネタはお休みという流れになっています」(ワイドショーデスク)

民放各局のワイドショーが芸能人のすったもんだを扱う芸能ニュースを封印している。新型コロナ禍の有事のなか、不要不急の話題は後回しというのは当然だろうが、結果的に芸能リポーターたちは、開店休業中である。

「飛行機で毎週、日帰りで地方に出張していたり、これまで当然のように仕事していたのが、嘘のようです。スケジュールは真っ白です」(あるリポーター)

当然ながら、収入は歩合だからなくなる。現在の非常事態がいつ終息し、終息したとしても業務がすぐに元通りになるかもわからない。
 
■チケット払い戻し損失はすでに520億円

コロナ禍によって、コンサートや演劇など、文化芸能分野の公演中止・延期が5678件にのぼると報じられた。チケット代の払い戻しなど損失額が3月中旬の時点で推計520億円にのぼるという。この動きはさらに加速しており、少なくないタレントや関係者は生活が立ち行かなくなる。

「とりわけ切羽詰まっているのが劇団などの舞台公演です。年収300万円以下が5割強をしめるし、保障も契約書もなく、政府の給付金が出たとしても受け取れない恐れがある。バイト先の飲食店も休業で、どん詰まり。芸能界でも安泰なのは一部の売れっ子だけで、舞台で端役を務めているような役者は生死の瀬戸際まで追い詰められている」(劇団関係者)

そのため、これまでの作品でつくったTシャツやグッズをネット販売したり、動画配信したり、苦境を訴えクラウドファンディングで援助を募ったりしているそうだが、いずれも急場しのぎであることは否めない。

ある舞台俳優は家の片付け、整理、掃除、リフォームなど普段やらないようなことに努め、ジョギングなどで体を動かしている。「何もしないと、鬱になりそうで」と言う。

武道家で思想家の内田樹氏もSNSでこう書いている。

《家に引きこもっている人たちがしだいに鬱状態になりつつあるようです。『用事がない人は家から出るな』と言われて素直に家にいたらそれは『お前は社会的に有用性のない人間だ』という宣告に同意しているようなものですから。人間は社会的承認がないとだんだん生きる力を殺がれてゆきます》

劇作家で演出家の鴻上尚史氏(61)は安倍首相が星野源に便乗した“くつろぎ動画”について「言葉を失う」と語っていたが、こんな時代にアベが宰相という極め付きの不幸。芸能エンタメ業界は息も絶え絶えだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200416-00000003-nkgendai-ent
4/16(木) 9:26配信