新型コロナウイルスの感染防止に有効とされる密閉・密集・密接の「3密」の回避に、大相撲が苦心している。感染拡大を受けて夏場所の開催を2週間延期した日本相撲協会だが、
10日には角界で初めて力士の感染が確認された。これ以上感染を広げないためにも、協会は「3密」を避けようと全力を挙げている。

 相撲部屋では師匠である親方と弟子の力士たちが寝食を共にしながら稽古(けいこ)をする、衣食住を伴う「家族」のような団体生活が基本だ。
多くの部屋は稽古場や座敷、調理をするちゃんこ場、風呂場などを持ち、別の階に若手力士が共同生活をする大部屋がある。幕下以下は大部屋での共同生活が原則で、十両以上の関取になると個室が与えられ、若手のモチベーションにもなっている。

 だが、「密閉」された狭い稽古場に共同生活の「密集」した空間、さらに肉体がぶつかり合う「密接」した稽古と、相撲部屋には常に「3密」のリスクがつきまとう。普段から窓を開けるなど換気に気を使っているが、
稽古後は座敷に力士らが集まり、鍋や大皿を囲んで食事する「ちゃんこ」は日常の光景。ある親方は「一緒にいること自体、濃厚接触になる。一人でも(感染者が)出たら相撲部屋は大変なことになる」と危機感を募らせてき…
https://mainichi.jp/articles/20200416/ddm/035/050/053000c