■ブラジル帰国後に公式YouTube「闘莉王TV」を開設した闘将が明かす、隣町の“悪例”とは…

2010年、サッカー南アフリカワールドカップで日本代表の16強進出に貢献した田中マルクス闘莉王氏は昨季限りで現役を引退した。
日本では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて7日に「緊急事態宣言」が発令されたが、闘莉王氏が現在暮らすブラジルのサンパウロ州には「外出禁止令」が出ている。
闘将は「THE ANSWER」の単独取材に応じ、隣町で起こった“コロナ帰省”の最悪な実例を紹介。「バカンスではない。愚か者になってはいけない」と苦言を呈している。

7都府県が対象となっている日本の緊急事態宣言。SNS上では「東京脱出」が上昇ワードとなり、都市部からの帰省で感染が拡大する恐れがあるとして問題となった。

「今のブラジルでも都市部で感染者が広がっている。自宅待機をしなければいけないのに、バカンスだと勘違いしている愚か者がたくさんいる。
みんな田舎に帰って、それで国内で感染が広がってしまっている。日本では、同じ間違いは起きてほしくない」

昨年、19年間の輝かしいプロキャリアに終止符を打った闘莉王氏はこう語った。年老いた両親への親孝行のためにブラジルに一旦戻り、
遠く離れた日本の人たちとのコミュニケーションツールとするためにYouTube公式チャンネル「闘莉王TV」を立ち上げた闘将が住んでいるのは、サンパウロ州のパルメイラ・ド・オエシチ。
人口約9000人の生まれ故郷は、サンパウロの中心部から車で7時間半というのんびりした田舎町だ。

だが、サンパウロ州とリオデジャネイロ州では、感染拡大防止策として、すでに外出禁止令が出されている。
いつもの平穏さは消え、街中の人影も少ないパルメイラには、まだ新型コロナウイルスの感染者は出ていない。「1人疑いが出たけれど、陰性だった」というが、
隣町のジャーレスでは最近、ある“事件”が起きたという。それは“コロナ帰省”が引き金だった。

■「自分勝手な行動で、愛する家族や街のみんなに迷惑をかけてはいけない」

「外出禁止令が出た頃、ブラジルでは、みんな都市部から田舎に戻ろうとした。家族のところに戻り、地元で感染を広げている。ジャーレスのケースも同じだった。
サンパウロの大学の医学部の生徒がこの時期に田舎に帰った。実家で体調が悪くなって、検査を受けたら結局、新型コロナで陽性と判明した。
周りの街も大騒ぎになった。こんな大事な時期に自分勝手な行動で、愛する家族や街のみんなに迷惑をかけてはいけない」

ブラジルでコロナ陽性者は2月26日に初めて報告されたが、そこから事態は急激に悪化。8日の時点で感染者は1万5927人、
死者800人(在ブラジル日本大使館公式サイトより)と発表され、前日よりも感染者は2210人、死者は133人も増加してしまった。

日本でも一部の人の行動が物議を醸すケースが出ているが、闘将は「日本人なら(コロナ禍を)コントロールできる」と力強くエールを送る。
ブラジルでの感染状況を踏まえて、“コロナ帰省”を止めるように熱く提言していた。(THE ANSWER編集部)

THE ANSWER / 2020年4月10日 10時33分
https://news.infoseek.co.jp/article/theanswer_110607/

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