日本ハムの西川
「日本人初メジャースカウト・大慈彌功論」

新型コロナウイルスが米国でも猛威を振るっている。誰しもが先を読みづらい状況の中、ブルージェイズの山口投手、レイズの筒香内外野手が3月下旬に、追ってヤンキースの田中投手も一時帰国している。

選手やスタッフ、ファンに健康上のリスクをもたらさないことが確認されないと開幕はできない。
この方針はメジャーリーグ機構(MLB)とメジャーリーグ選手会による話し合いでも合意されている。悲しいかな日米とも開幕までにかなりの時間を要する様相だ。

今回から3回に分けて、今オフにもメジャー挑戦希望を表明しているNPB選手たちを考査してみよう。

まずは野手、日本ハムの西川外野手。センターとしての守備範囲、走力はメジャーでもトップクラスだ。肩はやや劣るが、センターなので問題はない。

メジャー中堅手の平均打率は2割7分8厘。これが一つの目安になる。ちなみに守備別平均打率の最高は左翼手と右翼手の2割8分3厘、最低は遊撃手で2割6分3厘である。

イチローがオリックス時代に残した通算打率は3割5分3厘。メジャー全盛期の2001〜10年の平均打率は3割3分1厘だった。メジャー全盛期間のイチローでさえ2分以上落としている。
西川には16年に記録した打率3割1分4厘、出塁率4割5厘に近い数字を期待したいところだ。

本拠地の札幌ドームはメジャーの球場に比較しても、本塁打が最も出にくい球場の一つである。そこで彼に要求されるのは外野手の頭、および間を抜く長打力。
また速球派のNPB外国人投手に対してタイミングが取れ、どれだけ強い打球が打てるかも、メジャーを基準にした際の判断材料である。

私がメッツ在籍時に新庄剛志(当時阪神)を獲得に向け動こうと決心したのは、00年11月に行われた日米野球視察中である。彼はNPB打線の中でメジャー投手陣に対して、誰よりもタイミングが合い、強く振れていたからだ。

西川は人格者と聞いている。振る舞いを見ても察しが付く。ぜひともメジャー挑戦希望がかなうことを願う。投手については、条件付きで挑戦と言われている巨人・菅野を含め、次回からのコラムで考査をしよう。

▼大慈彌功(おおじみ・いさお) 元太平洋クラブ(現西武)捕手。ロッテでバレンタイン監督の通訳を務め、1997年からは同監督が指揮を執ったニューヨーク・メッツで日本駐在スカウトに転身。
ドジャース、アストロズと渡り歩き、昨年までフィリーズの環太平洋担当部長を務めた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200406-00010047-chuspo-base
4/6(月) 22:31配信