4/5(日) 5:01配信 THE PAGE
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全米プロバスケットボールのNBAが新型コロナウイルスの感染拡大を受けてシーズン中止へ向けて選手会との本格調整に入ったことが4日(日本時間5日)明らかになった。ESPNなど複数の米メディアが報じたもの。

 NBAはユタ・ジャズのルディ・ゴベールがPCR検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出たことから3月11日から即座にシーズン中断を決定。その後、ゴベールのチームメートであるドノバン・ミッチェル、デトロイト・ピストンズのクリスチャン・ウッド、ブルックリン・ネッツのケビン・デュラントら、次々と選手の感染が明らかになり、全米での新型コロナウイルスの凄まじい感染拡大、都市封鎖などの動きもあってプレーオフ突入を約1か月後に控えて、シーズン再開のメドがまったく立っていなかった。

 ESPNのブライアン・ウィンドホースト記者によると、「米国と中国の両政府が新型コロナウイルスの封じ込めに悪戦苦闘を続ける中でリーグは最悪の場合に備えている。今週、選手会とリーグが交渉してシーズン終了の取り決めについての調整を始めた。交渉では(再開と中止の両方の)オプションを残していたが、どのようにリーグを再開するかについては話されていない。シーズンを終了させた場合の財務面について話し合っている」という。

 交渉のテーマは、経営者サイドが経済的な打撃を被っているため、中止を前提にした選手の年俸削減だったようで、CBSスポーツも、「リーグは何十億(何千億円)を失う危機にひんしている。可能であれば、何らかのポストシーズンを行うことで、その金額を抑えようとするだろうだが、日ごとに(再開の)可能性が薄くなっている。NBAが2020年シーズンなしの世界がどのようになるか考え始めているのも理解できる」と伝えた。

 NBAは、当初、8月にプレーオフから再開し、それもラスベガス、オーランド、バハマなどの中立都市に全チームを集めてプレーオフを行う集中開催案を模索していた。ラスベガスには、多くの宿泊施設があり、ネバダ大学のキャンパス施設を利用することも可能なのだが、NBCスポーツによると、安全の担保、物流面で大きな障害を抱えているという。

 何百人もの選手、スタッフ、関係者のPCR検査の必要性に加え、プレーオフ再開前には、約3週間のトレーニングキャンプも必要で、「すべての選手、コーチ、トレーナー、設備管理人、カメラ通信者(これらの試合は中継される)が、ラスベガスに来る前に2週間の自主隔離をするのだろうか。事前のPCR検査で陰性と判定される確率は、どの程度あるのだろうか。選手たちは、家族を連れてこられるのか、もしくは、全員が家族から、6週間から8週間、離れることになるのか。ホテル従業員や、全員に給仕する料理人は、そこにずっと滞在しなければならないのだろうか…そう考えると(このプランは)現実的ではない」と疑問を呈した。

 同メディアは、「NBAは、今すぐに中止の決断を下す必要はなく、5月か、6月まで待って、新型コロナウイルス、経済、国の状況を見守ることもできるが、もう楽観的に考えることは難しくなっている」という見解を報じている。

 さらに今季のシーズン中止を決定しても、来シーズン(2020−2021年シーズン)を例年のスケジュール通りに8月に開幕することも難しくなる。当初、8月に、集中プレーオフを開催、来シーズンのスタートを”クリスマス”の12月24日にずらすことまで検討されていた。今シーズン中止の場合も、来シーズンの”クリスマス”開幕の可能性は残っているが、その場合も、日程短縮などの調整を行って2021−2022年シーズンから、8月開幕の元に戻すのか、永遠にNBAのスケジュールが12月スタート、8、9月終了になるのか、なども議論されることになるだろう。
 NBAでは、今季、日本人として初めてドラフト1巡目指名を受けたワシントン・ウィザーズの八村塁がルーキーとして活躍していた。

 米4大プロスポーツのひとつNBAが中止を決めれば、7月開幕を目指しているメジャーリーグなどにも影響を与えるかもしれない。