「あとの4人は一体、誰なんだよ!」

あるパ球団の関係者は、こう言って憤りを隠さない。

■れっきとした「クラスター」

阪神の藤浪晋太郎ら3人のコロナ感染が発覚したプロ野球界。阪神は当初、選手7人と球団外の5人が知人宅で食事をしたと発表していたが、昨29日になって彼ら以外にも複数の外部の人間が出入りしていたことを明らかにした。
藤浪、伊藤隼、長坂の3選手、球団外の女性3人、さらに選手の家族1人を含めた7人が感染したのだかられっきとしたクラスターである。

気になるのはこの“コンパ”に参加していた残り4選手の状況だ。阪神は4選手について異常はない、としている。PCR検査を受けていない選手の名前まで公表する取り決めはないが、
食事会が密室で行われていたことを考えると、さらなる感染者が現れたとしても不思議ではない。

これに戦々恐々としているのが他の11球団。冒頭のパ球団関係者が眉をひそめてこう言う。

「感染した藤浪たちは阪神の一、二軍の選手、首脳陣、裏方を含めて接触している。一軍選手が14日の食事会に参加していないとも限らない。阪神の一軍はオリックス(京セラ)、
ヤクルト(神宮)、DeNA(横浜)と対戦した。一軍帯同選手の中からコロナ陽性の選手が出てきたら、少なくともこの3球団に何かしらの影響は及ぶ。活動停止などの処置を取らざるを得なくなるかもしれません」

■中日は2人が自宅待機に

実際、今回のあおりをモロに受けているのが中日だ。食事会の参加者でコロナに感染した伊藤隼は、その後に中日との二軍戦でナゴヤ球場に滞在。中日の15人の選手、関係者が接触していた。
昨29日には伊藤隼と数分間の会話や身体的接触のあった2選手が自宅待機になるなど、対応に追われている。中日の球団関係者は言う。

「PCR検査は受けることが決まった時点で公表する取り決めなのに、阪神が26日に検査を受けると公にしたのは藤浪ひとり。伊藤の名前が出てきたのは翌27日、藤浪の感染を公表したのと同時だった。
つまり伊藤が検査を受けたことが26日にわかっていれば、1日早く対処することもできたわけです。なぜ、言ってくれなかったのか。伊藤から二次感染する選手が出てこないとも限らないわけですからね」

東京をはじめとする各都道府県が不要不急の外出自粛を要請したことで、多くの球団が練習中止になった。無観客での練習試合を継続している二軍戦も、国や地方自治体の動き次第で、どうなるかわからなくなってきた。

阪神の対応に怒り心頭の11球団にしても、藤浪たちと似たようなことをしている選手がいないとも限らない。阪神を“火元”にする感染拡大はもちろん、他球団からもいつ“火の手”が上がるかわからない。
それこそ全球団が活動停止に追い込まれる可能性は十分にある。すでにNPB内では、4月24日の開幕を5月中にズラす案も検討し始めたそうだが、もはや開幕どころではなくなってきたのではないか。

3/30(月) 12:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200330-00000010-nkgendai-base