子どもが新型コロナウイルス感染症「COVID-19」に感染した場合、理由はまだ分かっていないが、
重症化するケースはほとんどなく、そもそも子どもは感染しにくいとする見解を複数の専門家がAFPの取材で明らかにした。

一方で大半の専門家は、休校措置には賛成の意向を示している。

米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部の疫学者、ジャスティン・レスラー氏はAFPに対し、
「子どもがこのウイルスに感染することは分かっているが、重症化したり死亡したりするケースはないようだ」と指摘。

「不明なのは、無症状や症状の軽い子どもに、どれほどの感染力があるかだ」
「このことが、この新型ウイルスの感染拡大で子どもがどのような役割を果たしているかを理解するための鍵となる」と語った。

特に低年齢の子どもに深刻な症状が見られにくい理由に関しては、いくつかの仮説がある。

米ニューヨーク州にあるストーニー・ブルック小児科病院の小児感染症科主任、シャロン・ナックマン氏は、
「子どもは生後数年間でさまざまな病気になるため、免疫システムが新たな感染症にうまく立ち向かうよう整えられている」と話す。

一方、米国立衛生研究所フォガーティ国際センターの疫学専門家セシル・ビブー氏は、理由は何であれ、
子どもは新型ウイルスの影響を比較的受けにくいにもかかわらず人に移しやすいことを考慮すると、「休校措置という考えに至る」と指摘した。

国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)によると、全国規模で休校措置を導入しているのはこれまでのところ、
アイルランドや中国、イタリア、ポーランド、日本など29か国に及び、4億人近い子どもたちに影響が出ている。一部地域で休校している国も20ある。

英マンチェスター大学の統計学者、トーマス・ハウス氏は、休校措置には賛否両論があると指摘。
「感染拡大の抑制にはつながるが、教育の機会が失われるなど、社会的な問題が大きくなる」と述べた。

だが、大半の専門家は休校措置を支持する考えを示し、感染拡大を遅らせ、重症患者が一時期に集中して発生しないようにすることで、
中国・武漢やイタリアのように病院の救急治療室で混乱が生じるのを避けられるとしている。
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