トランプ大統領「パラサイト」受賞を連日猛烈批判


■トランプ大統領の発言全文

「ところで、アカデミー賞がどれほど酷かったことか。韓国の映画が受賞した。一体どうなっているんだ。
韓国とは十分すぎるほどの貿易問題を抱えている。それなのに、今年最高の映画の称号を与えるのか。そんなに良かったか?

ちょっと待ってくれ。『風と共に去りぬ』のような映画がいい。復活させよう。『サンセット大通り』もある。
たくさんの素晴らしい映画がある。でも、勝者は韓国作品だ。最初は外国作品賞を取ったのかと思った。でも違った。こんなことが今までにあっただろうか」

トランプ大統領はこのようにこき下ろした上で、選考過程にも疑問を投げかけた。

また、1939年に公開され、第12回アカデミー賞で作品賞など9部門を受賞したヒット作『風と共に去りぬ』を取り上げて絶賛した。
南北戦争時代の南部の白人の視点で描かれた同作は、アメリカ国内で「人種差別的だ」として強い批判の対象となっていることでも知られる。

さらに、トランプ大統領は2月21日、ネバダ州の演説集会でも「Keep America Great(アメリカを偉大なままに)」と刺繍された帽子を被った支持者に囲まれながら、
「韓国とはうまくやっているが、作品賞受賞は前代未聞だ。理解できない。アメリカが受賞するのを見たいのだ」と強調した。

2日連続で猛烈な批判を展開した理由は、再選に向け、自身の「アメリカ・ファースト」を支持する白人にアピールする狙いがあるとみられる。

この発言について、多くの米メディアが取り上げた。

CNNは「トランプ大統領は一体いつの時代に戻りたいのか?女性が日常的に差別されていた時代か。
『風と共に去りぬ』の時代は、白人男性以外にとっては良いものではなかった」と痛烈に批判。

また、ワシントン・ポストも「トランプ大統領の暴言は、外国人嫌悪の負の面を示す良い例だ。
馴染みのないものに挑戦しないのなら、多くの優れた芸術を逃すことになる」と論評した。

ニューヨーク・タイムズは「映画産業は自由主義の砦だと主張する共和党員にとって、アカデミー賞は長年標的にされてきた。
今年の授賞式でも、トランプ大統領を批判する有名人のスピーチが行われた」と分析した。

一方、「パラサイト」のアメリカの配給会社はツイッターで「理解できる。トランプ大統領は(字幕が)読めないから」と揶揄した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200222-00010004-fnnprimev-int