上下黒のパンツスーツに黒髪を束ね、真紅の口紅に決意を滲ませ直立する女性。以前と変わらぬ容姿端麗なその姿に、傍聴人たちの目は釘付けとなった。

「女優復帰する資格はない」

 そう語った彼女だが――。

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 昨年11月に合成麻薬等の所持容疑で逮捕された沢尻エリカ(33)の初公判が、1月31日に行われた。

「現実から逃避した世界と薬物がつなげた偽りの友情から抜け出せなかった」

 練り上げられた言葉を、長台詞のように淀みなく発する。法廷は「女優」のために用意された舞台のようだった。だが、検察側の質疑応答になると様子が一変。司法担当記者が振り返る。

「時々目を伏せたり、唇を何度も舐めたり、緊張しているような仕草が見受けられました。『なぜ甘い考えを抱いたのか?』と検察官から核心的な質問が飛ぶと、回答に窮して沈黙を続け、『それは今でも自分の中で自問しています』と答えるのが精一杯でした」

沢尻への“ラブコール”が絶えない

 初公判を終え、各メディアには「沢尻引退」の文字が盛大に並んだ。その一方で、公判では所属事務所エイベックスの役員が「女優復帰」を匂わせてもいた。

「検察側が読み上げた役員の陳述書には〈女優として素晴らしい才能がある〉〈個人的には彼女の作品をもう一度見てみたい〉などとあり、復帰に前向きな事務所の姿勢が透けて見えました」(同前)

 実際に彼女への“ラブコール”は絶えないと、事務所関係者は語る。

「まだ具体的な予定はないものの、テレビやネットも含めて『落ち着いたらうちで』と声が掛かっているのは事実。ただ、沢尻自身は復帰云々以前に、今はまだ何も考えられない精神状態にあります」

 入院している慶応大学病院内の一室。スポットライトに包まれていた彼女の姿は今、暗闇の中にあった。

「窓もカーテンも締め切り、反省した様子で終日、ぼーっとしています。逮捕されて以来、一度も日の光を浴びていない。病室のテレビもつけず、パソコンも携帯も弁護士に預けて、一切の情報から距離を置いている。逮捕と同時に、これまでの友人関係が偽りだったことを思い知って、ほとんど“人間不信”の状態に陥っています」(同前)

2/18(火) 19:09配信 文春オンライン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200218-00034514-bunshun-ent