【柔道 グランドスラム・パリ大会最終日 ( 2020年2月9日 )】 男女計7階級が行われ、男子100キロ超級3回戦で影浦心(24=日本中央競馬会)が五輪2連覇中のテディ・リネール(30=フランス)を破る大金星を挙げた。リネールが国際大会で敗れるのは、2010年9月の世界選手権無差別級決勝で日本の上川大樹に敗れて以来、約10年ぶり。連勝は154で止まった。

 試合は規定の4分間で両者ともにポイントと指導がないまま、ゴールデンスコアの延長戦に突入。延長40秒、影浦はリネールの内股を透かし、技ありを奪って勝負を決めた。リネールの地元パリでの大会は、試合途中から大きなテディ・コールが鳴り響くなど、影浦にとっては完全アウェー。そんな逆境をはね返しての勝利に、影浦はもちろん、コーチボックスの井上康生監督も思わずガッツポーズを繰り出した。

 大会は東京五輪代表選考大会の一つで、日本勢は各階級の2番手以下の選手が出場。影浦もリオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(百五銀行)を追う立場にある。5日の渡仏前には成田空港で取材に応じ、「2番手の立場に変わりはなく、逆転も難しいと思うが、リネール選手に勝てば大きなアピールになるし、まだまだもつれると思う」と決意を述べて出発。有言実行の“絶対王者”撃破で、五輪代表の可能性を残した。


2020年02月09日 21:50柔道
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