五輪代表のサッカーがアジアで負けたというのも世間的には、そう目立ったニュースにはなっていない

東京五輪の予選を兼ねたU-23アジア選手権は、決勝で韓国がサウジアラビアを延長戦の末に下して、初優勝を飾ったね。今大会は日本がグループリーグ敗退を喫した以外はこれといったハプニングはなかったけど、4強は韓国、サウジアラビア、オーストラリア、ウズベキスタンといつもの顔ぶれで、こうした上位国はA代表にもつながる育成ができていると言えるよ。

 決勝は本当に激しい試合だった。連日の暑さのなか、中2日で続いた大会の6試合目。やっぱり疲れもピークに達していて、互いに守備を重視せざるを得なかったけど、球際の強さ、勝負どころでのスピード感はさすがにアジアトップクラスと思わせるものだったよ。

 日本はこうした国々とどこで差をつけられたのか。やはり一番は大会に向かう姿勢だよ。五輪出場が懸かった各国は、それなりの時間をかけて合宿を行なったり、強化試合をこなしてこの大会に臨んだと聞いているけど、一方で日本はどうだったかな。12月にE-1選手権、ジャマイカ戦と試合を行なったけど、両者はメンバーもまったく異なっていて、結局は大会直前に寄せ集めたようなメンバーで臨むことになった。しかも、その中で1戦ごとにターンオーバーまでしているのだから、連動性や組織力など他チームのようには望めないよ。

 食野ひとりだけだった海外組をもっと招集できていたら……、という言い訳も韓国の前には通用しないよね。彼らも海外組の主力はほとんど招集できていない。それでも優勝できたのは、本当に底力があるという証拠だよ。しかも、国際大会では頻繁にこういう差が生まれている。何もこの大会だけじゃないんだ。昨年のE-1選手権しかり、U-20ワールドカップしかり(日本はベスト16、韓国は準優勝)。U-17ワールドカップでも韓国が上回った(韓国がベスト8、日本はベスト16)。日本は現状で韓国が上ということを認めて、なぜ彼らが勝てるのか、その姿勢から学ぶことをしなければそう簡単に追いつくことはできないと思うよ。

 幸か不幸か、五輪代表のサッカーがアジアで負けたというのも世間的には、そう目立ったニュースにはなっていない。やっぱり、サッカーに対する世間の関心が低下してきているからだ。テレビの視聴率も低かったというしね。世界で16強止まりが続くうえに、アジアで勝てない……。海外組がいるとかいないとかの問題じゃなく、“勝てない日本”ってレッテルを貼られたら、日本のサッカーはどんどん萎んでいくよ。

1/28(火) 7:07配信 サッカーダイジェスト
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