HBO(R)アジアが製作した全8話のアンソロジー「フードロア」。アジア8ヶ国の気鋭監督が集う中、日本代表の監督として参加した齊藤工さん。"伝承とホラー"をテーマにした「フォークロア:TATAMI」に続く起用となり、今回は"食"をテーマに人々の繊細な感情を描いている。

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物語の中心になっているのはタイトルにもある"BOX=お弁当"で、広島で起きた土砂災害後の出会いをきっかけに思い付いたという。

「いくつかの幼稚園で移動映画館を行い、上映中に土砂をかき出すお手伝いをしていたんです。その際に幼稚園の給食を作る方たちが塩むすびを握ってくださって。しかも、肉体労働後にぴったりの塩加減のおにぎりで、それが僕らへのラブレターのように感じたんです。お弁当というモチーフはほぼ決まっていたんですけど、"おにぎりに思いを込める"という部分はそこから出来上がりました」

そして、ロケは作品に見合った、群馬県高崎市で行われた。

「お弁当が作られる台所は、高崎市内の廃虚を選びました。かまどがあり、そこで何十年も作ってきたというリアリティーが感じられたので、ガスをそこに通すなどして作り上げたんです。お弁当を作るシーンはいわば、魔法使いが魔法をかけるような場面なので、特に丁寧に撮りました。音も食材の中にマイクを仕込んで繊維が切れる音までもとって、リアルな表現にこだわりました」

こうして作られたお弁当に格別の思いを抱く人々を、安田顕、安藤裕子、ザ・グレート・カブキらが演じる。

「ずるいキャスティングができたなと思っています(笑)。プロレスラー役に本物のプロレスラーさんが出てもらうことで、ドキュメンタリーに近い作品になりますからね。それから、3人とも役と自身に共通点があって、まさに自分の物語のようだと皆さんにおっしゃっていただけました。役と同じように、カブキさんも安藤さんもうまくいかない時期があり、安田さんにも中学生のお子さんがいらっしゃるんです。いろいろな偶然が奇跡的に重なった中、本当に素晴らしい才能が集結して完成した作品です。僕が監督であることは忘れて見てください(笑)」

1/27(月) 12:00配信
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