野村シンヤ2020年1月24日 06:00
https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1231095.html 動画あり

2021年 リニューアルオープン予定
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 西武鉄道は1月23日、埼玉県所沢市で運営しているレジャー施設「西武園ゆうえんち」のリニューアルについて記者会見を開いた。
記者会見には西武ホールディングス 代表取締役社長/西武鉄道 取締役会長である後藤高志氏と、協業する刀の代表取締役CEOである森岡毅氏が出席。

 リニューアルオープンは2021年を予定しており、総事業費は約100億円を見込んでいる。なお、リニューアル工事に伴う一時的な閉園はせず、営業は従来どおり続ける。

 1950年に開業した西武園ゆうえんちは2020年に70周年を迎えることから、記念事業としてリニューアルすることを2019年9月に発表。
そのなかで、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の再建に貢献した森岡氏が設立したマーケティング集団「刀」と協業してリニューアルすることを明かしていた。

 西武園ゆうえんちは1988年度の年間入場者数約194万人をピークに、その後は徐々に減少傾向となり、直近の2018年度には約49万人と最盛期の4分の1ほどまでに落ち込んだ。
近年のレジャー業界はインバウンド(訪日外国人)の増加や「コト消費」のニーズ拡大もあり、入場者数、売上高ともに増加傾向にあるなかで、
西武鉄道としてはこの機会に老朽化した施設の改修や、多様化した余暇の過ごし方、変わりつつある消費者ニーズにキャッチアップできるようリニューアルを進める。

 後藤氏による冒頭のあいさつでは、すでにUSJ再建における実績を持つ森岡氏に、刀を創設した時期に会う機会があったことからすぐさま打診。
「若いながらに卓越した知見を持っている方で、さらには情熱あふれる姿に感銘を受けました。森岡さんにオファーしたことはリニューアルの成功につながるであろうと確信しています」と述べた。

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 続いて、森岡氏からリニューアルコンセプトについての説明が行なわれた。
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 集客に成功しているレジャー施設はテーマがしっかりと決められており、USJと富士急ハイランドは“興奮”を売っており、東京ディズニーリゾートはディズニーのコンテンツを使って“幸せ”を売っていると、
レジャー施設における価値の確立が非常に重要であることも解説した。

 一方、同じ幸せをテーマにしている東京ディズニーリゾートのように、巨額の投資を行なうだけの商圏は現在の所沢にはないことから、規模に見合ったリニューアルをどのようにするか考えたとき、
70年の歴史が持つ古さを逆手に取り、誰もが輝いていた1960年代のよき日本をパーク内に再現することで新しい価値を生み出すとしている。
ターゲット層は10代後半から20代の若い世代であり、1960年代をイメージした“あのころの日本”は、若い世代にとってはむしろ新鮮で、当時を知らないからこそ憧れる“非日常”と感じてもらえる調査結果に基づいていると説明した。
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 西武グループでは、現在二大拠点の一つである所沢を「訪れたい場所」に変えることで、近隣を含む関東エリアの活性化を目指している。
所沢駅周辺では多くの開発が進められており、2018年3月に商業施設「グランエミオ所沢」の第1期が東口に開業し、2020年夏に第2期オープンが控えている。
また、西口の車両工場跡地でも商業施設を核とした大規模開発の計画が進んでおり、2020年半ばの開業を目指している。

 埼玉西武ライオンズの本拠地であるメットライフドームでは、本拠地移転40周年事業としてボールパーク化構想をはじめとした大規模改修も計画されている。
西武園ゆうえんちのリニューアルに伴い、施設最寄りの駅名変更も検討しているとのことだ。

 後藤氏は「所沢は西武池袋線と西武新宿線が交差する大変重要な拠点であります。西武鉄道、西武プロパティーズ、埼玉西武ライオンズといったグループ各社がしっかりと連携し、
所沢が魅力あふれる場所、訪れたい場所として選ばれるように変えていき、所沢および埼玉エリアの力を盛り上げ、
ひいては関東、日本全体の活性化に貢献してまいります」とグループ全体のビジョンも説明した。

2021年にリニューアルオープン予定の西武園ゆうえんちのコンセプトを表わしたキービジュアル
https://travel.watch.impress.co.jp/img/trw/docs/1231/095/001_o.jpg