日本ハムが昨年大みそかに斎藤佑樹の結婚を発表し、各メディアで大々的に報じられた。お相手は学生時代に知り合った31歳の一般女性だという。
斎藤は球団を通じて「これを機に選手として、社会人として成長し、みなさまに恩返しができるように、より一層気を引き締めて精進して参る所存です」とプロ10年目に向けての意気込みを誓った。

生涯の伴侶を得て飛躍が期待されるが、チーム内で置かれた立場は非常に厳しいと言わざるを得ない。昨年は11試合登板で0勝2敗、防御率4.71と2年連続未勝利。
スポーツ紙デスクの評価は厳しい。

「先発ではもう厳しいのではないか。打者の手元で球を動かす投球スタイルだが、打線が2巡目になると相手の目が慣れて痛打を浴びる。
では中継ぎが適任かというと、球が速い先発投手の後だと、直球が140キロ台前半の斎藤は打ちやすく感じる」

では、生き残る道は――。

「オープナーではないでしょうか。立ち上がりが悪い投手でない。カットボール、フォークなどを駆使して打者のタイミングをずらす投球術で、1、2イニングを投げてリリーフにバトンタッチする。
斎藤はそこで結果を出し続けて信頼を築かなければいけない」

「オープナー」は、本来リリーフ起用される投手が先発登板して1、2回の短いイニングを投げた後、本来の先発投手がロングリリーフとして継投する起用法。
2018年に大リーグでレイズが初めて本格的に導入し、他のチームにも広まっていった。

日本ハムはこの戦術を積極的に導入している。昨季は金子弌大、加藤貴之が打者一巡をめどに投げたり、堀瑞輝が中1日で2試合続けてオープナーを務めたりした。
斎藤も昨年のシーズン前は「オープナー」の有力候補として栗山英樹監督に期待されたが、4月4日の楽天戦(楽天生命パーク宮城)で二回途中3失点と結果を残せず。この登板が昨季唯一の先発機会だった。

12年に右肩関節唇を損傷して以来、思うような球が投げられず葛藤の日々を送っている。現在31歳。
東京・早稲田実高で3年夏にエースで全国制覇、早大に進学すると六大学リーグ史上6人目の通算30勝、300奪三振を達成するなど、アマチュア時代はエリートの道を歩んできたが、プロではその輝きが失われている。
9年間で通算15勝。このまま終わってしまうのか。今年は斎藤の野球人生をかけた正念場のシーズンになりそうだ。(牧忠則)

※週刊朝日オンライン限定記事

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1/23(木) 14:11配信