日米のワールドシリーズ開催を目指す『ソフトバンクホークス』の孫正義オーナーが、新たな挑戦を始めた。

去る12月6日、東京大学と共同で人工知能(AI)の研究所を設けると発表。
ソフトバンクとグループ会社が今後10年間で200億円規模を拠出し、基礎研究に加えて先端医療などの応用研究を支援するという。

「研究には投資や株式のリスク対策とともに、野球への応用も含まれます。これでホークス、東大野球部が大きく変わります。
東大OBで元中日選手の井手俊氏を新監督に迎え、2017年秋から続いている42連敗を止め、返す刀で東京六大学の優勝争いに食い込む。
日本のAI頭脳の優秀さを示すのに、これ以上の好機はありません」(経産省職員)

ITアナリストは、将棋や囲碁と同様に「投手、打者、走者などのシチュエーションを入力すれば、
相当の確率で結果がはじき出され、有効な対処法も瞬時に示されるところまでAIは進化を遂げている」という。

野球のAI活用は、ゲームメーカーのDeNAを親会社に持つ『横浜DeNAベイスターズ』が大きく先行していた。

「球をトラッキング(追尾)して、投手ならスピードや回転、打者なら飛距離や角度などのデータを収集する『トラックマン』の導入が
日本の球団でも進みましたが、球界にはデータ解析して実戦で生かす人材が不在。その点、DeNAには優秀なゲームアナリストが多く在籍する。

野球とは無縁だった4人が17年にチームを組んでAI技術を活用してデータを解析。
ラミレス監督が打順や選手交代の戦略を練るパターンが定着し、奏功しています」(スポーツ紙記者)

これに刺激されたのが、ソフトバンクだった。

「2018年シーズン中から高解像度カメラによって撮影されたデータを一括してAI分析する
『野球選手トラッキングシステム』を本格導入して、チーム戦略に活用しています」(同・記者)

3年連続日本一の球団となったソフトバンクは、東大と共同でAI開発に着手したことによって、他球団をさらに突き放すかもしれない。
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