1/11(土) 3:00配信 サンケイスポーツ
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 春夏の甲子園で通算7度の優勝を誇るPL学園高の硬式野球部が復活する可能性が10日、浮上した。2016年夏の大阪大会から休部状態だった。11日に大阪市内で開催される野球部OB会総会で、教団側と折衝していた桑田真澄会長(51)が今後の方向性について注目発言をするとみられる。

 「1・11」−。一度は閉ざされたPL学園野球部の扉が、再び開けられるかもしれない。大阪市内のホテルに桑田OB会長らが集結する。開催されるOB会総会で、休部状態から何らかの方向性が示される可能性が出てきた。

 「前向きになるよう、頑張ってやるようにしてきた」

 4年ぶりの復部に向け、あるOBが一定の手応えがあることを明かした。今年は学校創立65周年。春夏の甲子園で通算7度の全国制覇を誇る名門の第2章が始まるか−。

 PL学園は2013年に部内暴力により6カ月の対外試合禁止処分を受け、当時の河野有道監督が引責辞任。それまでにも部員間の暴力やいじめなどが相次ぎ、教団側が野球部の存続について態度を硬化させた。14年秋に新入部員の募集停止で休部の動きが発覚。16年7月を最後に休部となった。

 教団側を動かしたのは昨年1月にOB会長に就任した桑田氏だった。昨秋の「マスターズ甲子園」にOBチームを結成。野球部の活動再開に向けた第一歩であると同時に、桑田氏は母校を訪れたときに、教団側にも報告する機会があった。

 桑田氏は当時、「『復部してくれ』だけでなく、どのように復部するかも大事。教団の意向、こちらの意向をいろいろと議論させてもらっている感じ」とこれまでにも複数回、意見交換してきたことを明かしていた。

 「マスターズ甲子園」では予選を勝ち上がり、11月9日に甲子園出場。利根商を相手に5−1で勝利した。スタンドには阪神・福留がサプライズで駆けつけるなど、OBらが1400人集結。PL学園名物の人文字や、ブラスバンド、チアリーディングでの応援などオールドファンの心をくすぐった。別のOBは「あれだけの皆さんが集まってくれた。みんな、やってよかった、といっている」と振り返った。

 関係者によると名門復活を望む波を教団側も感じ取り、態度を軟化させた可能性があるという。巨人のエースとしてNPB通算173勝をマークし、卒業後も教団と良好な関係を築いてきた桑田氏が積極的に復部に向けて尽力していることも教団側を動かした要因だ。

 復部となれば教団の信者であることが条件となる監督の人選、選手の募集だけではなく、トラブルを二度と起こさない仕組みも必要になる。

 OB会総会で桑田氏の口から、どのような報告、発表があるか−。新たな歴史が始まる一日となるかもしれない。