ローテーションを守れたことは収穫だと思いますが、同時に課題もたくさん見つかり勉強になった1年でした。

高いレベルに挑戦するという事は簡単なことばかりではないですが、悔しい思いをしながら「これを越えた先に成長がある」と自分に言い聞かせました。今ぶつかっている壁を乗り越えた先に、自分が大きくなるという期待を感じています。

そんな1年間を振り返ってみると、日本とは環境の違いを多く感じるシーズンでもありました。

例えば中4日の調整に関しても、日本と基本的には同じでも、細かい部分で改めて知ることも多かったです。

マリナーズでは、先発投手の練習メニューは決められていません。ピッチャーによってはグラウンドに出ない選手もいますし、ピッチングをしない選手もいて、選手それぞれです。日本ではキャッチボールやランニングなどコーチに言われたことをやっていましたが、こちらでは自分自身で決めることが格段に多いです。

もちろんコーチからのアドバイスや原理原則は存在しますが、体の状態に合わせてやるかやらないかは自分の判断に委ねられています。

日本よりシンプルなブルペン練習。

僕はキャッチボールをしたいタイプなので、登板日以外も毎日のように練習に出ていましたが、チームのレジェンドであるフェリックス・ヘルナンデスは、中4日のうち1日は何もしない日、そこからやる日とやらない日のメリハリをつけていました。

次の登板までに、ブルペンに入る日数は基本的に1日だけです。日本での「ブルペンでの投球練習」と比べると、メジャーはよりシンプルです。

どういうことかといいますと、メジャーでは投球練習前に「今日の目的」を明確にすることを義務づけられます。カウントをつけてピッチングする、バッターを立たせてピッチングするなど、目的を設定するんです。

足りていなかった「考えて投げる練習」。

「今日の目的」は例えば、カウント0-0から3球で2ストライク1ボールを作ることを目指すとか、あるいは2ストライク1ボールから三振を取るスライダーの練習など、その日ごとにテーマを決めてブルペンに入るのです。何もテーマがなく投げることは良しとされていません。

球数100とか200球とか数字を目標にしてしまうと、この様な取り組みができない気がします。シンプルではあるのですが、目標設定を毎日し、考えながら投げる練習というのは、プロに入ってから意外としてこなかったと気づかされました。

同じ理由で、ピッチングの時はカウントをつけて、バッターを立たせて投げるように言われることが多いです。

自分が日本でプレーしていた時について反省しているのは、自分が意図したボールがいっていない時でも、結果的に抑えられていれば満足してしまっていたことです。

メジャーでは、本当に投げたいボールを投げることが大切で、少しでも甘く入ると打たれてしまいます。それくらい普段から意識を高く持っている必要があります。

それは、今季打たれている時期に気づいたことでもあります。ブルペンで「ここに投げてみな」と指示を受けても、ボールが正確に行く確率が低かった。投げたいところに投げる能力が、実は足りていないことがはっきりと自覚出来ました。

追い込んでから投げるスライダーと、カウントを取るスライダーの投げ分けについて頭の中ではいつも考えていても、日本ではそういう練習をしていなかった。つまり、試合でぶっつけ本番で投げて、その結果に一喜一憂していました。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200108-00842047-number-base
1/8(水) 11:41配信