日本代表強化の効果ゼロ
https://amd.c.yimg.jp/amd/20200104-00601285-shincho-000-1-view.jpg

 これほど酷い試合を見たのは、近年記憶にない。それだけU-22ジャマイカ代表は「話にならない」チームだった。

https://amd.c.yimg.jp/amd/20200104-00601285-shincho-001-1-view.jpg

昨年12月28日、U-22日本代表は令和最後の試合でジャマイカと対戦し、9-0の大勝を飾った。

◆「森保監督笑った最多9点 五輪へ旗手2発 カミナリ効いたU22五輪『ゴールド』へゴールラッシュ 見せつけた決定力! 右足! 左足『結果を残せば間に合う』」(日刊スポーツ:12月29日)

◆「森保ジャパン最多9発 U22五輪サバイバルアピール全開 令和元年爆勝締め 中山!! 旗手!! 前田!! 旗手!!  PKで安部 後半も止まらん東!! 一美!! 三苫!! 岩崎!!」(スポーツニッポン:同前)

 一部スポーツ紙は日本の大勝に賛辞を送っていたが、歯ごたえのまるでない相手に勝ったところで、どれだけ強化に役立ったのか疑問だ。

 ジャマイカ代表の側に立てば、前半6分の中山雄太(22)[PECズヴォレ]の直接FKと、前半28分の安部裕葵(20)[FCバルセロナB]のPKは防ぎようがなかっただろう。

 しかしながら残りの7ゴールを見ると、そのほとんどが、日本選手がフリーになることを許しての失点だった。

 ジャマイカ代表は攻守の切り替えが遅く、守備では「人をつかまえる」ことができず右往左往するばかり。日本代表が前線の3人でプレスをかければ簡単にボールを失い、波状攻撃を許していた。

 今回来日したジャマイカは、すでに東京五輪の北中米カリブ海予選で敗退したチーム。さらに、乾季の真夏から真冬の日本へ来たことで、コンディションもベストではないことは理解できる。

 そもそも、そんなジャマイカを日本側が招待したことが、今回のミスマッチの根本的な原因でもある。

 改めて言うまでもないが、ヨーロッパは昨シーズンより代表チームによる新たなリーグ戦、UEFAネーションズリーグをスタートさせた。

 このため、W杯予選、EURO予選に加えて3大会が行われることで、テストマッチにヨーロッパ勢を招くことはほぼ不可能になった。

 加えて、ヨーロッパではU-21の代表チームはあっても、五輪資格となるU-23チームは活動していない。

 前回のリオ五輪で日本は、スイス1部リーグのBSCヤングボーイズに所属していた久保裕也(26)[KAAヘント]を招集できなかったのも、チームが五輪よりもクラブチームの試合を優先させたからだ。

 ヨーロッパ勢を招けないことが、どんな結果を生んだか、A代表を例に取って見てみよう。代表はUAEで開催されたアジアカップで2月1日、準優勝となったが、その後の試合を表にまとめてみた。ご覧いただきたい。

つづく

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200104-00601285-shincho-socc