昨年大みそかの「第70回NHK紅白歌合戦」の平均視聴率は午後9時から11時45分の第2部で、
史上最低となる37・3%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。

前年より4・2ポイント減で、過去最低だった2015年の39・2%を大きく下回った。
NHKは昨年の大河ドラマ「いだてん」も平均視聴率1桁と史上ワーストの惨敗。2大看板番組で不名誉な記録となった。

令和初の紅白、区切りの70回。NHKは並々ならぬ情熱を傾けて制作に臨んだが、結果は厳しかった。

合格点と言われる40%台どころか、過去5度記録している39%台にも届かず。
局関係者は「大変厳しい結果」と表情を曇らせた。

一昨年は第2部41・5%と大きく数字を伸ばし、2年連続で二谷裕真氏が実施本部長を務めたが、なぜ急激に下降したのか。
民放関係者は「スポーツに寄せすぎた演出で、音楽の祭典というムードが薄かった」と指摘する。

昨年は、2020年の東京五輪に向けて17年から掲げ続けた共通テーマ「夢を歌おう」のラストイヤー。
「集大成の一年という制作サイドの思いが空回りした部分があったのでは」(民放関係者)。

さらに、18年の視聴率上昇を支えた「NHKホールの一体感」が感じられなかったとの声も上がる。
18年は北島三郎(83)や桑田佳祐(63)、松任谷由実(65)が他の歌手と同じ舞台に立ち率先して盛り上げたが音楽関係者は
「今年は中継や収録済み映像が増え、勢いがつかなかった印象」という。

「浅草キッド」を歌ったビートたけし(72)や「ノーサイド」を歌唱したユーミンはホールに立ち、
たけしは演出でも協力したが、曲の上での絡みはほとんどないままで「18年ほどの“お祭り感”は生まれなかった」(音楽関係者)。
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