西武から海外フリーエージェント(FA)でメジャー入りを目指す秋山翔吾外野手(31)が、レッズと基本合意したことが30日、分かった。

出来高含め3年総額1500万ドル(約16億5000万円)以上の大型契約になる見込み。カブス、ダイヤモンドバックスなど5球団による争奪戦で、最大級の評価を示したレ軍に絞り込み、条件面で合意に至った。近日中にもメディカルチェックを受け正式契約を結ぶ模様だ。

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秋山が新天地をレッズに絞り込み、条件面で基本合意に至った。米球界関係者の話を総合すると、3年の複数年契約で出来高含め総額1500万ドル(約16億5000万円)以上の大型契約の模様。西武が残留交渉で提示していた4年20億円と比べても、年俸ベースで上回る好条件だという。交渉段階から他球団をリードしていたレッズが、そのまま射止めた形だ。

11月下旬の海外FA権行使から約2カ月に及ぶ争奪戦に、ついに終止符が打たれた。カブス、ダイヤモンドバックス、レイズを含めた4球団と、12月上旬に米国・サンディエゴでのウインターミーティングで直接交渉。その後、さらにパドレスも名乗りを上げ、5球団による獲得競争が繰り広げられていた。その中で「1番中堅手」として、一貫して高い評価を示してきたレッズを選び、海を渡る。

レッズは、大リーグ30球団で唯一日本人選手がメジャー出場したことのない未開の地。オハイオ川に面したシンシナティに本拠地を置く。70年代に黄金時代を築いたが、リーグ優勝はワールドシリーズを制した90年を最後に遠ざかっている。今季はナ・リーグ中地区4位でシーズンを終えた。30年ぶりの優勝へ、秋山をチームの軸に据える補強で戦力を再構築する。

秋山は10月31日に右足薬指骨折からリハビリを続け、今月22日の野球教室では、軟式ながら“フルスイング”を解禁していた。その際も「あれくらいは大丈夫だろうと思っています」と順調な回復ぶりを披露。年末年始も練習は継続している。年明けにも現地入りしメディカルチェックを受け、正式契約を結ぶ模様だ。新天地のチームカラーは赤。新たなユニホームを身にまとい「レッズ秋山」が誕生する。

◆シンシナティ・レッズ 19年シーズンは75勝87敗(ナ・リーグ中地区4位)。これまで世界一5度、リーグ優勝9度、ポストシーズン進出は15度。19年シーズンの総年俸1億3400万ドル(約147億円)は30球団中14位。本拠地はグレートアメリカンボールパーク(シンシナティ)。監督はデービッド・ベル(通算75勝87敗)が務める。前身のレッドストッキングスが1881年に発足し、その時代を含めると138年の歴史を誇る。1970年代にジョニー・ベンチ、トニー・ペレス、ピート・ローズらを擁した強力打線は「ビッグレッドマシン」と呼ばれ、ポストシーズン進出の常連だった。現在のチームには球宴6度選出の一塁手ボット、同3度選出の三塁手ムスタカス、今オフに来日し話題を集めた親日家の先発右腕バウアーがいる。

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