2017年、ジュビロ磐田は横浜F・マリノスから獲得した元日本代表MF中村俊輔が6位躍進の原動力となった。総得点の約半数を主に中村がキッカーを務めるセットプレーから奪い、J1最少失点の堅守でしぶとく戦い抜いた。

 しかし、中村が長期離脱した昨季途中からチームは失速。16位でJ1参入プレーオフに回った。40歳を過ぎたベテランの左足に命運を預けてきたチームは、方針転換を迫られた。

 右足首の状態を回復させて今季に臨んだ中村。2月23日の松本との開幕戦に先発したが、その後の出場機会はほとんどなかった。チームは“中村頼み”からの脱却を図り、今季加入したルクセンブルク代表FWロドリゲスら前線の攻撃陣に素早くボールを集める戦い方に活路を求めた。だが、磐田は新たなスタイルを確立することができず、勝ち星は伸びなかった。中村は7月、「チームが苦しい時期に申し訳ないが、試合に出たい気持ちが強かった」と横浜FCへ移籍。15試合で5得点していたロドリゲスも8月にウクライナのクラブに引き抜かれた。支柱だった元日本代表と得点源の助っ人を失い、チームの迷いは深まった。

 1997年から6年間で3度の年間優勝を成し遂げた黄金期は、明確な戦い方や個人の役割分担がはっきりしていた。誰が出ても大崩れしない強さがあった。それが最近の磐田になかった。8月から指揮を執ったスペイン人のフベロ監督は、ボール支配率を高める攻撃的な戦いを貫いた。終盤に追い上げたが、戦術を浸透させるには時間が足りなかった。

12/8(日) 14:11配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191208-00000041-at_s-socc

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