J1サンフレッチェ広島で3度のリーグ優勝に貢献した双子の元プロサッカー選手、森崎和幸さん(38)と浩司さん(38)。
「うつ白 そんな自分も好きになる」を今月出版し、選手時代に何度も襲われたうつ病の経験を初めて赤裸々に打ち明けた。
「同じような病気で苦しむ人たちの希望になりたい」。そう願う2人の告白に耳を傾けた。

 ▽弟・浩司さん 「自分を好きに」森保監督の言葉に救われた

―弟の浩司さんは2005年、疲労が回復せず睡眠障害や食欲不振を招くオーバートレーニング症候群になりました。兄の和幸さんも翌年に発症。
それからお二人はたびたびチームを離れました。今ではうつ病だったと振り返っています。何が起きていたのですか。

和幸 最初は、目の焦点が合わず、ボールとの距離感がつかめなくなりましたね。
何でだろうと考え込むと眠れなくなって。疲れが取れず、体が重くなる悪循環に陥りました。
思考力が低下し、パスが来ても次にどうしたらいいのか判断できなくなりました。

浩司 人の話す意味さえ分からなくなるんですよ。
聞いていても頭の中で処理ができない状態になる。
だから人から逃げたくなる。ネガティブなことばかりが頭をぐるぐる回って、切り替えられなくなりました。

和幸 練習に行く前ですら、身支度の時間配分がうまくできないことがありました。当たり前のことができなくなる。
周りの人にもなかなか理解してもらえない。結局、自分の殻に閉じこもっていく感じでしたね。

―浩司さんはアテネ五輪に出場し、和幸さんはキャプテンを任されるなど、チームの中心選手となっていく中で症状が表れました。

 浩司 いつでも完璧じゃなきゃいけないという思いが強く、ミスが増えると自分を責めました。
反省して次に挑むのはいいことですよ。
でも、あまりにも自己否定に走って自分を痛めつけていました。
不安な要素を引きずりながらプレーすると、どんどん不調が重なり、結果的にうつ状態になりました。

和幸 例えば、チームが失点した時、明らかに自分は関わっていなくても「何かできたんじゃないか」と思ってしまうんです。
チームの結果が出ないと、必要以上に自分の責任を感じてしまった。「次」って切り替えられるとよかったけど、ずっと気になって「過去」を切り離せなくなっていました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191130-00010000-chugoku-socc

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