中日が来季のコーチに、1992年から97年まで在籍して3度の首位打者を獲得したアロンゾ・パウエルさん(54)を招聘(しょうへい)することになった。
現役時代にともにプレーし、親交がある与田剛監督(53)が就任を要請。パウエルさんは一両日中にも来日し、契約を結ぶ運びとなる。

 「現役時代から交流を持っていて、僕も外国の野球に興味があって、長くお付き合いをしてきた。個人的に親しくさせてもらっていた」

 こう話す与田監督は、パウエルさんの野球観などに共感。昨秋の監督就任時から入閣を望んでいたという。
昨年12月に行われた秋田県での野球教室に与田監督とともに参加したパウエルさんも駆けつけたい気持ちを持っていたそうだが、
2018年に就任した大リーグ・ジャイアンツの打撃コーチの契約が残っており、今季は実現しなかった。
来季からフリーになるのを見越して再アタックし、既に就任を快諾してもらっているようだ。

 パウエルさんは来日間もない時期から日本の野球に順応し、主に中軸で安打を量産。
94〜96年は外国人として史上初となる3年連続首位打者に輝いた。
帰国後は01年限りで現役引退し、米国でコーチとして指導実績を積んだ。
10年途中にはマリナーズの打撃コーチに就任し、イチローと同じユニホームを着た。
パウエルさんがセ・リーグで首位打者になった3年間、パ・リーグではオリックスのイチローも打率トップに君臨。
そんな関係性に加え、パウエルさん自身の常に前向きな姿勢など人格面もあってか、マリナーズ時代の2人は尊重し合う間柄だった。

 与田監督は「野球観であったり、彼が経験したことは、うちの選手にすべてプラスになると思う。
全ての選手に彼のノウハウを伝えてもらいたい」と話し、なかでも期待しているのは打撃面の指導。
「長距離も打てるし、好打者でもあるし、3年連続首位打者であるしね。メジャーでもそうそうたるメンバーを教えてきた。
海外のトレーニング方法に興味がいっぱいある選手もいると思う。そこは僕にはできないから、お願いしますということですね」と話した。

 就任となれば、来季は23年ぶりに竜のユニホームに袖を通すことになるパウエルさん。
最初に首位打者を獲得した94年には、球史に残る巨人との10・8もあった。
強い時代を知る男が与田監督らとともに、強竜再建に力を尽くす。
https://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/dragons/news/201911/CK2019111802100005.html