ブレシアのウルトラスは、自クラブに所属するイタリア代表FWマリオ・バロテッリに対して人種差別行為を働いたエラス・ヴェローナのウルトラスを擁護する構えを見せた。イタリア『ガゼッタ・デロ・スポルト』など複数メディアが伝えた。

バロテッリは3日に敵地で行われたセリエA第11節のヴェローナ戦に先発したが、54分にヴェローナの一部サポーターによる差別的なチャントの標的に。スタンドの方にボールを蹴り込み、抗議の意思を示すと、ピッチから立ち去ろうとしたが、チームメイトらになだめられ、最終的にフル出場した。

その騒動後、場内アナウンスで人種差別行為が続くようであれば中止する警告も発せられたが、ヴェローナ側はそうした事実を否定。会長を務めるマウリツィオ・セッティ氏や、イバン・ユリッチ監督は試合後、声を揃えて自チームのサポーターによる差別行為がなかったと主張。それでも、最終的には事態の収拾を図りたいクラブ側が、主犯格のウルトラスの一員に11年間のスタジアム入場禁止処分を科す決定を下した。

一連の騒動を受け、被害者のバロテッリが所属するブレシアのウルトラスが公式声明を発表。しかし、その中身はヴェローナのウルトラスを擁護し、バロテッリ本人の素行不良を問題視する趣旨の信じ難いものだった。

「ヴェローナ・クルヴァのリーダーの1人の個人的な発言を、それがウルトラス全体の総意と決めつけるメディアや機関の魔女狩りのような対応は正当化できるものではない」

「これは特定のチャントが合法的、且つ許容できるものと主張するものではないが、同時にすべてのヴェローナファンやヴェローナ・クルヴァが差別主義者であることを意味するものでもない」

「我々はバロテッリがイタリア人であり、ブレシアーノ(ブレシア市民)であることに疑いを持っていないが、彼の普段からの傲慢な態度は決して許容できないものでもある」

「彼の悪名高い悪ふざけは世間に広く知られていることであり、我々が重要視するユニフォームへの犠牲心や情熱、敬意、献身性といったものは彼が全く理解していないものだ」

「もちろん、我々は明らかに敵対的且つ差別的な行為、挑発に対しては非難する。ただ、表現の自由を破壊された人々に対しては連帯を示したい」

なお、先日のカリアリvsインテルではカリアリの一部サポーターによるベルギー代表FWロメル・ルカクに対する人種差別行為が問題となっていた中、インテルのウルトラスがカリアリ側を擁護する声明を発表していた。今回のブレシア・ウルトラスによる声明もそれに倣った反応のようだ。

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