真夏の東京の酷暑への懸念から、国際オリンピック委員会(IOC)が提案したマラソンと競歩競技の札幌への移転案。この案を議論した1日の4者協議の場で、東京都の小池百合子知事からは、夏開催という今の五輪の前提そのものへの疑問が投げかけられた。

江ノ島でセーリングやりたいと言ってもいい

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この日の協議で、都としては同意はできないとしながらも、札幌へのマラソンと競歩の開催地移転案を容認する方針を表明した小池知事。協議の終盤で「1つ加えたいポイントがある」と切り出した。

「オリンピックの開催の前提条件が、7、8月の実施であることは、北半球の都市のどこにとっても、これからも過酷な状況になると言わざるを得ない」

 今回の札幌案がアスリートの健康第一という観点からIOCによって推し進められたことを踏まえ、「アスリートファーストなら、その観点からもよく考えていく必要がある」と問いかけた。

 それに対し、IOC調整委員会のジョン・コーツ委員長は「東京開催が決まったIOC総会で五輪憲章を変えた。場合によっては、すべての競技は1つの開催都市だけはできないかもしれないと認識していた」と指摘。「7、8月にしなければということとは別に、複数の都市で実施することが可能になった。将来の開催都市にもフレキシビリティが与えられた」と述べ、夏開催の是非そのものには答えずに、開催都市の分散化での対応を打ち出した。

 4者協議後のIOCと東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会の合同記者会見でも、これに関する質問が報道陣から出た。開催時期そのものをドラスティックに改革する考えはあるかと問われると、コーツ委員長は、仮に東京が再び五輪開催の候補地に名乗りを上げた場合、江ノ島でのセーリング開催などといったように、複数の都市で開催したいと言ってもいいと思うと回答。「既にそういった変更を行っている。将来に向けてはそれで十分だと思っている」と、開催時期の変更は必要ないとの見解を示した

11/1(金) 23:15配信 THE PAGES
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