ことし5月の皇位継承に伴って新たに即位した天皇陛下が即位を内外に宣言される、「即位礼正殿の儀」が22日、皇居 宮殿で行われます。

即位礼正殿の儀は、憲法で定める国事行為として行われる「即位の礼」の中心となる儀式で、22日午後1時から皇居 宮殿の「松の間」で行われます。

天皇陛下は、平安時代から儀式での天皇の装束とされる「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」に身を包まれ、皇后さまは十二単で儀式に臨まれます。

儀式には秋篠宮ご夫妻をはじめ11人の皇族方も参列され、各界の代表や外国の元首などおよそ2000人が参列する予定です。

天皇陛下は「松の間」の正面中央に置かれた高さ6メートル50センチ近くある「高御座」の台座にのぼり、参列した人たちを前に即位を宣言するおことばを述べられます。

続いて総理大臣がお祝いの言葉を述べ、参列者が万歳を三唱します。

天皇皇后両陛下はこれに先立ち、午前9時から皇居の「宮中三殿」で、即位礼正殿の儀を行うことを皇室の祖先や神々に伝える儀式に臨まれます。

午後7時20分からは外国の元首などを宮殿に招いて、祝宴にあたる「饗宴の儀」に臨み、出席者から祝福を受けられます。

22日は祝賀パレードにあたる「祝賀御列の儀」も行われる予定でしたが、台風19号による甚大な被害を受けて来月10日に延期されています。

両陛下 22日は早朝から真夜中まで
天皇皇后両陛下は22日は朝早くから夜遅くまで「即位の礼」の儀式などに臨まれます。

《午前中》
皇居の「宮中三殿」で、皇室の祖先や神々に「即位礼正殿の儀」を行うことを伝える儀式が行われます。

皇后さまはこの儀式に臨むため、早朝、お住まいの赤坂御所を出発し、着替えのため皇居 宮殿の「表御座所」に入られます。

続いて赤坂御所を出発した天皇陛下は宮中三殿の賢所(かしこどころ)に入られます。

そして、午前9時から40分ほどの予定で、宮中三殿を回って拝礼し、日本古来のことばで記した「御告文(おつげぶみ)」を読み上げて「即位礼正殿の儀」を行うことを伝えられます。

皇后さまも同じように宮中三殿を回って拝礼されます。

《午後》
午後1時からは宮殿の「松の間」で「即位の礼」の中心となる儀式「即位礼正殿の儀」に臨まれます。

天皇陛下は部屋の正面中央に置かれた「高御座」に、皇后さまは高御座のとなりの「御帳台」に、それぞれのぼられます。

そして、天皇陛下が三権の長をはじめ各界の代表や外国の元首などを前に即位を内外に宣言するおことばを述べられます。

《夜》
再び宮殿で、22日行われる最後の儀式「饗宴の儀」に臨まれます。

「饗宴の儀」は祝宴に臨んで即位を披露し、祝福を受けられる儀式です。

外国の元首や王族などおよそ400人が招かれる予定で、両陛下は出席者から順番にあいさつを受けられます。

そして宮殿の「豊明殿」で食事がふるまわれるほか、「春秋の間」に会場を移して歓談の時間も設けられます。

「饗宴の儀」は午後11時ごろまで行われる見込みで、両陛下が多忙な日程を終えてお住まいに戻られるのは真夜中になります。
憲法の趣旨に沿い 皇室の伝統尊重
▽天皇陛下が内外に即位を宣言される「即位礼正殿の儀」、
▽祝宴にあたる「饗宴の儀」、
▽祝賀パレードの「祝賀御列の儀」は、いずれも憲法で定める国事行為として行われます。

政府は基本方針で、一連の式典は憲法の趣旨に沿うとともに皇室の伝統などを尊重するとしたうえで、平成への代替わりに伴う式典は現行憲法下で十分に検討されて行われたものだとして、今回、基本的な考え方や内容を踏襲するとしました。

また、即位礼正殿の儀での天皇陛下のおことばや、総理大臣の祝いのことばである「寿詞」について、閣議で決定しなければならないという明文の規定はないものの、「即位礼正殿の儀」は天皇陛下の即位に伴う極めて重要な儀式だとして、前回の対応を踏襲し、閣議決定しました。

2019年10月22日 4時27分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191022/k10012143181000.html

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