ラグビーワールドカップ(W杯)の準々決勝(20日・東京スタジアム)で南アフリカ代表と対戦する日本代表のメンバーが18日、発表された。都内で記者会見に応じた日本代表のリーチ マイケルは、「ロシア代表、アイルランド代表、サモア代表、スコットランド代表と対戦してきて、そのすべてを最後の試合だと思って必死にやってきた。今度も、変わらないです」と語った。

 予選プール全勝で史上初の決勝トーナメント進出を決めたフランカーで先発の主将はこう続ける。

「勝てば、また次の試合にフォーカスします。いま言えるのは、これまで達成したことに満足したわけではないということです」

 チームは、ここまで、トニー・ブラウンと・アタックコーチ作成のゲームプランをカメレオンのごとく遂行してきた。

 大まかに言えば、当時、世界ランキング2位のアイルランド代表戦ではボール保持と防御時の鋭い出足で相手の選択肢を限定。サモア代表戦では相手をキックで背走させ、試合終盤に4トライ目を挙げるなど走力勝負で上回った。

 その下地には、国際リーグのスーパーラグビーへ参加するサンウルブズで作った基本戦術への共通理解、個々の対外国人選手の耐性、今年の猛練習で鍛えたフィットネスとフィジカルがある。

 初の大一番に向けても、従来のフレームワークは変わらず。
「週の前半は相手が怖く見える。でも、自分たちのゲームプランを理解していって、(次第に)ワクワク。勝つ自信が増えています」とリーチは言う。

 すべての選手が「戦術的なことは言えない」と口を貝にするが、フッカーの堀江翔太は「(当日まで)詳細を詰めて、自分たちの仕事が何なのかを見直して、試合前まで気持ちを高めたり、下げ(落ち着け)たりして、試合中も頭を冷静にして、激しくもしないと」と話した。
 頻繁に変わる攻撃陣形、鋭く飛び出して相手を2人で倒す防御などの「詳細」を再確認しなければならない。

 スコット・ハンセン・ディフェンスコーチは言う。

「対戦相手の特性に応じて戦術、テクニック、どうボールを奪い返すか(の計画)も変えます。南アフリカ代表はキャリー(突進)を好む。そこをできる限り(タックルに入る)2人で処理する」

 ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチは「向こうが何をやって来るかは明確」とした上で「明確でないことは、我々が相手に何をするか、です」と返した。プラン遂行を阻害しそうな脅威へも冷静に対処する考えだ。

 日本代表は、大会前の9月6日、南アフリカ代表と前哨戦を戦い7−41で敗戦している。この試合では、グラウンド両端へ放たれた高い弾道のキックを確保しきれず、陣地とボールの取り合いの両方で後手を踏んだ。
 前半4分に怪我で退いたウイングの福岡堅樹は、「前回、自分自身はハイボールに関わる前に退場してしまったのですが、そこはこれまで練習してきて、(復帰後の試合でも)いいシーンをいくつか出せている」という。
 相手のラシー・エラスムス・ヘッドコーチが「(当時と)同じ戦術を使うとは限らない」と、空中戦を仕掛ける分量に関しての明言を避けるなか、福岡は、再び同じ戦術を用いられても対策があることを明らかにしている。

「自分らしいジャンプをして競れば、いい形にできる」

10/19(土) 6:04配信
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