ソフトバンクVS巨人の「SMBC日本シリーズ2019」が19日に開幕。地上波テレビの放映権は数億円を要するが、せっかく獲得したTBSが悲鳴を上げている。

 日本シリーズに先立つ監督会議が18日、ヤフオクドーム内で行われ、ソフトバンク・工藤監督、巨人・原監督らが出席。主催者の日本野球機構(NPB)は「開始時間が中途半端になっていますが、地上波完全中継のために協力をお願いします」と要請した。

 福岡での開始時間は第2戦が午後6時30分で、残る3試合は6時33分。東京ドームは3試合とも6時17分に決定した。さらに5回裏終了後のインターバルも、シーズン中よりかなり長い5分前後に設定された。いずれもCMへの配慮など、中継する民放各局の都合だ。

 日本シリーズの放映権は、NPBにとって貴重な収入源。地上波は1試合4−5億円と高額だが、高視聴率を見込んで各局が争奪戦を繰り広げる。シリーズに進出した球団から推薦を得ようと、シーズン中から地上波で数試合を中継するなど実績を積むのだ。

 今回、巨人のホームは通例通り、同じ読売グループの日本テレビ系が独占。ソフトバンクがホームの第1戦はフジテレビ系、第2戦はTBS系が争奪戦を制したが、両局で明暗が分かれた。というのも、国民的な盛り上がりを見せるラグビーW杯で、日本代表が1次リーグ全勝で1位通過。次戦の準々決勝が第2戦の裏番組に入ったのだ。もし2位通過だったら、第1戦の裏番組に入ってフジが泣くところだった。

 高いお金と労力を注いで放映権を取ったのに、強力すぎる裏番組に“タックル”を食らい、TBS関係者は「厳しいですね…」とため息。「ラグビーの試合が終わる午後9時頃、日本シリーズはまだ続いているはずだから、せめてラグビーから(視聴者が)流れてくるような試合展開であってほしい」と祈る。

 一方で、両雄譲らぬ熱戦で中継時間が延長され過ぎると、午後9時から放送予定の日曜劇場にしわ寄せが。木村拓哉主演のドラマ「グランメゾン東京」第1話は波乱の船出となりそうだ。(笹森倫)


10/19(土) 16:56配信 夕刊フジ
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