国際オリンピック委員会(IOC)が来年の東京五輪のマラソンと競歩の札幌開催を検討していることに対して、観光業界を中心に困惑の声が広がった。今後、正式に札幌開催が決まれば、五輪ツアー商品の変更などの対応を迫られそうだ。

 「東京五輪組織委員会に確認を取っている。確定的なことは言えないが、五輪ツアーに申し込んでいるお客さまには、何らかの変更をご案内しなければいけないという影響は出てくる」。傘下のクラブツーリズムが東京のマラソンコースを走るツアーを取り扱っている旅行大手のKNT−CTホールディングスは、今後のツアーの見直し方針についてこう説明した。

 一方、エイチ・アイ・エス(HIS)の担当者は、「来年の五輪シーズンで混雑が予想される東京圏のイベントを地方開催に移すケースが増えていた」と指摘する。しかし、マラソンコースが札幌に変更されれば、地方開催のイベントが逆に混雑するなど、二次的な影響が出る可能性もあるとの見方を示した。

 日本商工会議所の三村明夫会頭は17日、記者団に対して、「時間が限られる中でコースの選定など準備は大変だと思うし、間に合うか心配している」と強調。「北海道の関係者は喜び、東京の関係者は残念に感じているだろう。日商としてはコメントしづらい」と複雑な表情で答えた。

10/17(木) 21:18配信
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