米国FLクイルがラフプレー、元イングランド代表「タックルと呼べるものではない」

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は26日、出場20か国で最後の登場となった米国はイングランドに7-45で完敗。黒星発進となったが、後半にFLジョン・クイルが演じたラフプレーが波紋を呼んでいる。相手の顔面にショルダータックルを加えるような形で一発退場。実際のシーンを海外メディアも動画付きで公開し、元イングランド代表選手も「侮辱的であり卑劣なプレー」「タックルと呼べるものではない」と苦言を呈している。

 熱い闘志が一線を越えてしまった。0-38で迎えた後半29分だ。敵陣深くでイングランド主将のファレルが味方のパスをキャッチする際にややバランスを崩した。これにタックルに行ったのが、クイルだった。ただ、腰から下ではなく上体を起こし、上半身に激しく体をぶつけた。結果、相手の頭と頭が接触し、頭突きするような形に。ファレルは激しく飛ばされ、倒れ込んだ。

 明らかに正当性を欠いたプレーにイングランド選手がクイルを突き飛ばそうとして猛抗議。両軍選手が一気に集まり、一触即発の空気になった。TMO(ビデオ判定)の結果、クイルはレッドカードで一発退場に。バツが悪そうな顔でピッチを後にしたが、フェアプレーを求める観衆からは一部でブーイングも聞かれた。

 ラグビーの強豪ニュージーランドの地元メディア「スタッフ」は「ラグビーW杯2019:米国選手が卑劣なプレーで退場、イングランドが快勝」と見出しを打って特集。「キルはイングランドスター選手ファレルの顔面に卑劣なショルダーチャージを行い、退場となった」「ほぼ両軍選手による乱闘となった」とレポートしている。

 記事では、元イングランド代表選手でコメンテーターのウーゴ・モニャのコメントを紹介。「侮辱的であり、卑劣。タックルと呼べるものではない。卑劣なプレーだ」と苦言を呈したという。試合は1人欠いた米国は81分に意地のトライでなんとか完封負けを逃れた米国。しかし、クイルのプレーは後味の悪さを残してしまった。

2019.09.27 the answer
https://the-ans.jp/rugby-world-cup/85264/

写真
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動画https://the-ans.jp/rugby-world-cup/85264/2/