○2016年
田中正義(5球団→ソフトバンク)
柳裕也(2球団→中日)

外れ1位
佐々木千隼(5球団→ロッテ)

この年は競合が少ないドラフトだった。最大の注目は田中正義。5球団が競合しソフトバンクに入団したが、入団後の3年間は故障が相次ぎ、1軍登板11試合にとどまっている。2球団が競合した柳は今季初の2桁勝利をマークし、中日のローテの柱に成長した。

一方で史上初となる外れ1位で5球団が競合した佐々木は2年目に右肘の手術を受け、ここまで21試合登板で6勝にとどまっている。この年のドラフトで言えば、オリックスの山岡、西武の今井、阪神の大山などがチームの主力となっている。

○2015年
高橋純平(3球団→ソフトバンク)
平沢大河(2球団→ロッテ)
高山俊(2球団→阪神)

外れ1位
小笠原慎之介(2球団→中日)

2015年で最も競合したのは高橋純平。3球団が競合して、ソフトバンクが当たりクジを引き当てた。3年間は苦戦を強いられてきたが、4年目の今季、ついに開花。リリーフとして40試合超に登板し、勝ちパターンを担うように。優勝を争うソフトバンクの戦力となっている。

2球団が競合した高山は1年目に新人王に輝いたが、2年目以降、伸び悩みを感じさせている。平沢もレギュラーを奪うところまでには至っておらず、小笠原も故障に悩まされていた。この年は単独指名だったDeNA今永、オリックス吉田正らが、世代の代表格として活躍している。

○2014年
有原航平(4球団→日本ハム)
安楽智大(2球団→楽天)

外れ1位
山崎康晃(2球団→DeNA)

2014年は有原航平に4球団が競合し、日本ハムへと入団した。有原は1年目から8勝を挙げて新人王を獲得。2016、2017年と2年連続で2桁勝利をマークし、今季もここまで14勝。初の最多勝のタイトルに前進している。一方で2球団が競合した安楽は苦戦している。

外れ1位で2球団が競合した山崎は球界を代表するクローザーへと成長した。この年のドラフトでは単独指名だったロッテ中村奨、巨人岡本もチームの中心選手として活躍している。

ここ5年の傾向を見ると、多くの注目を集めて競合した選手でも、活躍できる可能性は決して高くない。これがドラフトの妙でもあるだろう。果たして、今年のドラフトはどの選手に、どれだけの球団が競合し、どこが単独指名を狙うだろうか。