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2019年9月14日

14日、「第41回ぴあフィルムフェスティバル」(PFF)特別招待作品として『劇場版 『ガンダム Gのレコンギスタ I』「行け!コア・ファイター」』(11月29日公開)の先行上映会が国立映画アーカイブで開催され、富野由悠季総監督、PFFディレクターの荒木啓子がトークショーに登壇。観客から、『天気の子』が大ヒット中の新海誠監督について聞かれた富野監督は「大したものだなと思っています」とたたえた。

「機動戦士ガンダム」シリーズの原作者・富野が「∀ガンダム」から、15年ぶりに新しいテレビシリーズの総監督を務めた『ガンダム Gのレコンギスタ』。放送から5年が経ち、新規カットを加えた全5部作の劇場版シリーズがスタート。第1部となる本作では、少年ベルリが少女アイーダや“G-セルフ”と出会う物語のはじまりを描く。

映画祭での上映がかない、富野監督は「巨大ロボットものがここで上映されるとは思っていなかった。呼ぶのが25年遅い!」とさっそく“富野節”をお見舞いし、会場も大爆笑。「アニメは映画ではないと言われる時代をすごしてきた。映画界に対して恨みつらみしかない。その思いがあるから、やってこれた」と悔しさは原動力にもなっていたという。

映画祭ならではといえる観客との質疑応答の時間では、会場から続々と手が上がり「新海監督のように(絵コンテを繋いで映像にした)ビデオコンテを元に映画を作っていくやり方はどう思う?」と聞かれる一幕も。富野監督は、コンテ通りの四角四面な映画にしないためには「コンテ主義にならない方がいいような気はしている」と口火を切りながら、「新海監督がやっているやり方は到底、僕にはできない。セリフを吹き込んでみせることなんて、やる気にもならない。でも、『天気の子』を観て四角四面な映画に見えましたか? 僕にはそうは見えなくて、柔軟な感じがした。画面全体の展開を含めて、“柔軟さ”を計算している新海監督は大したものだなと思う」と称賛した。

またこれまでのキャリアについても振り返った富野監督が、「作品と心中する覚悟でやった」というのが1980年代に手掛けた「伝説巨神イデオン」だ。ファンの間では語り草となっている衝撃のラストについて「作家としては一番やってはいけない手法。でもそれしかないというところに陥った」と明かし、「『イデオン』以後、アニメで仕事をやっていけるのかも見えなくなった。これで基本的には最後だなと思っていた。自分の血を見るくらいの気分がないとできない」と並々ならぬ覚悟だったことを告白する。

荒木が「すばらしい作品」と感想を寄せると、「僕もそう思います。まともな神経では作れない」とニヤリ。最新作となる劇場版 『ガンダム Gのレコンギスタ 』は「科学技術に対して異議申し立てをしたかった」と未来への願いを込めたといい、「テレビシリーズの足りない部分が補完されている」と胸を張っていた。(成田おり枝)

「第41回ぴあフィルムフェスティバル」は21日まで国立映画アーカイブで開催

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