注目の一戦に1万席以上の空席

9月5日、ワールドカップ・アジア2次予選前の試金石となったキリンチャレンジカップのパラグアイ戦で、日本が2-0の快勝を収めた。

日本は南米の強豪を相手に物おじせず、前半はサイドからの素早い攻撃で相手ゴールに迫り、23分には左サイドからのクロスに大迫勇也が、
30分には右サイドからのクロスに南野拓実が合わせて、立て続けに得点を奪った。

 試合後、インタビューに応じた日本サッカー協会会長の田嶋幸三氏は今回のゲームについて次のように振り返った。
 
「失点をせず、ワールドカップ2次予選前の最後の試合で、大きな怪我もなく2-0で勝ったことは良かったと思っています。そういう意味では予選は簡単にはいかないと思っていますので、
気を引き締めて明日からまたミャンマーに移動するので、良いかたちで初戦に臨みたいと思います。でも本当に今日はパラグアイ、
後半はかなり気合を入れられた感じで、プレッシャーが激しくなって、良いかたちの試合を組めたんじゃないかなと思います」
 
 今回の国際試合で使用したのは、鹿島アントラーズがホームとする県立カシマサッカースタジアム。40,728人の収容能力を誇る国内最大級のサッカー専用スタジアムだが、
この試合に訪れた観客数は29,071人。国際Aマッチであることや、期待の18歳、久保建英の存在などから注目されていた試合なだけに、1万人以上の空席があったことは、物足りなさが否めない。
 
 その原因には、平日開催であることやスタジアムへの交通アクセスの悪さなどがあるが、このスタジアムでの開催はかなりのチャレンジであったと田嶋氏は語る。
 
「ある意味、カシマでウィークデーにやるって我々にとってもチャレンジだったんですが、アントラーズの方、それから茨城県サッカー協会の方の努力で、
約29,000人の方が来てくれたということに関しては本当に感謝したいと思います。ちょっと空席があったのは事実ですけど、お許し願いたいと思う」
 
 またこの地を選んだ理由については、「明日向かう成田に近く、すぐ飛べるっていうことを第一優先にしてこのスタジアムを選びました」と選手のコンディションを考えての選択だとした。
 
 財政面を考えれば、当然他のスタジアムでの開催も視野にあったはずだが、今回は移動の利便性を考慮したうえでの思い切った決断だったようだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190906-00063805-sdigestw-socc