2011年12月に誕生した横浜DeNAベイスターズ。2018年シーズンは2011年シーズンと比べ1.8倍となる200万人を超える観客を動員した。
また、2011年以前は球団として多額の赤字を出していたというが、2016年には観客動員増に伴い黒字化も達成した。

7月31日に開催されたイベント「マイナビニュースフォーラム 2019 Summer for データ活用」では、
「横浜DeNAベイスターズの、スタジアムを満員にしたマーケティング戦略」と題し、
横浜DeNAベイスターズ事業本部 経営・IT戦略部 部長 林裕幸氏が登壇。

球団運営を裏側から支えるマーケティング戦略や戦略構築のためのデータ活用方法について紹介した。

横浜DeNAベイスターズが誕生した2011年当時、チームは4年連続最下位という散々な成績。
運営面でも多額の赤字を出すなど、ベイスターズはいわばどん底の状態だった。

林氏によると、DeNAによる買収前の横浜ベイスターズの年間の観客動員数は110万人前後を推移していたが、
2019年にはその倍となる220万人を達成する見込みだという。

さらに、本拠地となる横浜スタジアムは2020年に向けて増築・改修中で、2021年には観客動員数を240万人まで増加させていきたい考えだ。
観客動員増に伴い、2016年には黒字化も達成している。

横浜DeNAベイスターズはいかにしてどん底の状態から抜け出し、現状のような成功をつかんだのだろうか?
買収後、横浜DeNAベイスターズが一番最初に考えたのは「どのようにして収益を上げていくか」ということだった。

林氏は、球団の収益向上においては何よりも動員数を増加させる施策が重要であると説く。

「収益のキーになるのはやはり動員数です。動員数が増えれば、単純にチケットが売れるようになりますし、
伴ってグッズや飲食物の売上も増加します。また動員数の増加は、広告価値の向上やイベントスポンサーの獲得にもつながるうえ、
試合価値が上がり、放映権の販売にもつながります」(林氏)

しかし、当時は来場客のデータが一切なく、マーケティングの基本である3C分析すらできないような状況だったという。

「Customer(市場/顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3Cのうち、球団運営では特に市場/顧客の分析を行うことが大切ですが、
当時の販売チャネルは、各プレイガイド、または当日券および年間席のみで、誰が来ているのかわからない状態。
転売/譲渡などが行われていることも考えると、チケットの購入者と実際の来場者が異なっているという課題もありました」(林氏)

そこで、横浜DeNAベイスターズが一番最初に取り組んだのが、チケット直販サイトの開設だ。
これにより、チケットの購入者情報を取得できるようになった。

また、球場に設置された機械に会員証をかざすと特典が得られるファンクラブ会員向けの仕組みを導入したことで、
チケット購入者だけでなく実際の来場者の情報も取得可能になったという。

さらに2015年からは、スマートフォンチケットを導入。スマートフォンチケットは、アプリ間でチケットを分配できるため、
チケット購入者が誰と来場しているのかという情報もわかるようになったのだ。
https://news.mynavi.jp/itsearch/article/marketing/4584

【野球】 横浜DeNAベイスターズ、第1四半期は過去最高業績 「増席後もほぼ満席」 「優勝も狙える状況でポストシーズンにも期待」
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1565523913/