潮風に吹かれながらギターを奏でるBORO(撮影・吉澤敬太)

 歌手のBORO(65)が、デビュー40周年記念アルバム「RISING!」を1日にリリースした。大ヒット曲「大阪で生まれた女」を発売したのが40年前の1979年8月1日。この年、内田裕也さんのプロデュースでデビューすると、萩原健一さんがこの曲にほれ込んで歌い、BORO版が大ヒットする下地を作ってくれた。2人は今年3月に相次いで死去。BOROは「40周年を一緒に祝ってほしかった」と、亡き恩人に記念盤をささげた。

 BOROは裕也さんと萩原さん、2人の“激励”で40周年CDが完成したという。

 「レコーディングは過酷なんです。裕也さん、萩原さんが『BORO、頑張れ』と励ましてくれているような気がして」

 40年を振り返り、「ここまでやってこれたのは裕也さんがプロデュースしてくれたおかげ。『大阪で生まれた女』を世に知らしめてくれた萩原さんのおかげ」と、2人への感謝は尽きない。

 アルバムタイトルに込めた思いは「夜明け、上昇」。BOROは「『大阪で生まれた女』を超えたい。再デビューするくらいの気持ち」と強い目で訴え、「若い人に聴いてほしい。曲を聴けば君たちの未来が見える。僕のメッセージ、哲学を込めた」と語った。

 全12曲中11曲がオリジナル。BOROのイチオシは2曲目の「小さな拳銃」だ。軽快なリズムと覚えやすいメロディーが印象的で、明るい曲調とは裏腹に歌詞は米国銃社会の悲惨さを連想させる。

 最後の曲は米フォークの名曲「朝日のあたる家」。日本語詞をBOROが付けた。「この曲は裕也さんが歌った中で、希林さんが一番好きだった曲。希林さんの告別式でも流れた」と昨年9月に死去した裕也さんの妻で女優の樹木希林さんが好んでいたことを明かした。裕也さんは最後のステージとなった2018年大みそかのニューイヤーズワールドロックフェスティバルで「朝日のあたる家」を歌っている。

 「このCDを売らなあかんのです。そのために全国を回る」

 裕也さんと萩原さんから受けた恩を若い世代に返すため、BOROは歌い続ける。

8/13(火) 5:59配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190813-00000007-dal-ent
https://i.imgur.com/R7vWVtL.jpg