■「インターハイはなくしたほうがいい」

近年、日本列島は記録的な猛暑に見舞われ、真夏の炎天下におけるスポーツに対して見直すべきだという声が多く挙がっている。

その声には筆者も賛同している。

サッカーで言えば、日が昇っている時間にキックオフをしたり、1回戦から決勝までが僅か7日間で行われるレギュレーションは過酷とうよりも、最悪な結末をもたらしてしまうのではないかという恐怖さえ感じる。

3連戦をして、1日休み。そこからまた3連戦。しかも1回戦から3回戦までは9時半と12時どちらかのキックオフ。準々決勝から準決勝まではすべて9時半キックオフで行われるが、決勝は気温が高い13時のキックオフだ。

1日で最も気温が上昇する時間帯で連戦をするのだから、選手への負担は大きなものだろう。

「試合開始を24時間空ける」という観点から、1〜3回戦に関してはそれぞれの高校にとってすべて同時間でのキックオフとなるため、当然12時キックオフが続く高校の選手にかかる負担は大きい。9時半キックオフで3回戦まで戦ったチームと比べ、準々決勝と準決勝に関しては疲労度と休息時間が短くなってしまった。

加えてここまで過密なスケジュールだと、1回戦から戦うチームと2回戦から登場するチームとでは疲労度も異なる。決勝に進出した両チームがいずれも2回戦からの登場だったことは、まったく無関係とは言えないだろう。
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■控えのフィールドプレーヤーは5人。

登録人数も議論の余地がある。予算の都合上、インターハイの登録メンバーは17人だ。つまりベンチメンバーは6人のうち、GKが1人とすると、フィールドプレーヤーはたった5人しかいない。連戦が続けば続くほど、怪我人やコンディション不良が出てくるが、控え人数が少ないがゆえに選手をフル稼働させなければいけない。スタッフ陣のマネージメントの難しさも生じてくる。

いずれにせよ、それぞれのチームが難しい環境下での戦いを強いられたのは間違いなかった。プレーヤーズファーストを唱えるならば、インターハイをなくすべきだという意見も十分に理解できる。だが、物事はそんなに簡単にいくものではない。

■進路に重要な意義を持つインターハイ。

「インターハイをなくせという議論が起こっていますが、現場の意見からすると、議論は起こって当然だと思いますし、この環境下での連戦ははっきり言ってやめたほうがいい。ですが、インターハイという大会自体をなくせという議論になると……簡単ではないし、インターハイはインターハイで意義があるものだと思います」

こう語るのは今大会でベスト8に進出した徳島市立高の河野博幸監督だ。

「3年生で進路が決まっていない選手からすると、このインターハイが最後のアピールの場。2年生の選手からすると、ここでベスト8以上を決めたり、活躍をすれば、早い段階で進路も拓けてくるんです。大学の推薦は選手権までいくと、3年生は加味されないですから、自分が望む進路を勝ち取るためにも、インターハイというのは重要なんです」

河野監督が話すように、冬に行われる高校選手権では、ほとんどの3年生がその時点で就職なのか、大学進学なのか、プロなのか、進路が決まっている。しかも、大学への指定校推薦についても考えると、「全国大会でベスト8以上の成績」というのは大きなアドバンテージになる。しかもインターハイは選手権やリーグ戦と違って、すべてのスポーツ競技における共通基準になるため、どの大学も「要件」に入れやすいのだ。
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■地方高校にとってのメリット。

今大会、12年ぶりのインターハイ出場、選手権を含めた全国大会への出場が9年ぶりとなった北越高にとっても、十分にメリットを感じられる大会だった。

北越高はプリンスリーグ北信越に所属し、アルビレックス新潟U-18や星稜、富山第一、帝京長岡といった全国レベルのチームとしのぎを削っているが、全国大会から遠ざかったことで、北信越以外のチームと戦える機会がほとんどなかった。

今大会で1回戦から勝ち上がると、3回戦では青森山田をPK戦の末に撃破。準々決勝で京都橘に敗れたが、大きく注目を浴びる存在となった。

以下ソース先で

8/10(土) 9:01
Number Web
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190810-00840312-number-socc&;p=1
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20190810-00840312-number-000-view.jpg